さよなら、伝説のオーディオショップ「多田オーディオ」

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みずにゃん

どうも、みずにゃんです。
皆さんは、GWいかがお過ごしでしょうか。
5月最初の僕からのブログは、残念ながらGW中にあったニュースからお届けしなければなりません。

多田オーディオ、半世紀以上の歴史に幕

4月末、名古屋のオーディオショップのひとつ「多田オーディオ」さんが長い歴史にピリオドを打ちました。

このお店は“音色の良い”オーディオ機器を厳選して、レストアの上で販売をなされておられました。他のオーディオショップとは一線を画し、一部の熱狂的なオーディオファイルから支持され続けてきたお店です。

戦後まもなく創業したと言われている多田オーディオさんは、この名古屋大須の地でオーディオ機器の販売やレストアをなされておられ、半世紀以上の歴史があります。

当ブログでも過去に触れたことのあるこのお店。創業者の社長が亡くなられた2019年の秋、長らく続いていた大津通沿いの店舗での営業を終了する前後のタイミングで取り上げたため、当時のブログ記事では「閉店」という表現にてお伝えしていました。

しかし旧店舗での営業終了後の2020年以降も、現在に至るまで旧店舗にほど近い矢場町にて店舗営業は継続していました
僕はその存在は知っていたのですが、同年夏までにひと通りの機材を揃えていたためオーディオシステムの拡張を停止したタイミングでの店舗再開でしたため、今までお伺いする機会がないままでした。

当初は2023年いっぱいでの営業終了と計画されていたところを、今年いっぱいまでの期間で1年延長することで決まっていたのですが、諸事情もあり4月いっぱいでの営業終了が確定したのは、3月下旬。

営業終了の話を僕がイトケンさんよりお伺いしたのは、4月の営業終了が確定して間もなくのことでした。
多田オーディオの常連客のイトケンさんから電話口で聞こえたのは、落胆の声。

店頭にはまだまだ大量の在庫がある。それも不良在庫なんかではなく、店主が”音色の良い”良質なものばかりが眠っているわけです。
今のタイミングで救わなければ、買取業者によって安く買い叩かれ、海外に流出してしまうおそれもあり、それだけはお店にとっても、客にとっても避けたい事態です。

そこで今回、イトケンさんをはじめ、多田オーディオさんが無事に営業終了されるまでの間、お店をバックアップすることになりました。

貴重な資料たちを救え!

多田オーディオさんの店頭には、同店がレストア業務も行っていた関係で店頭在庫以外にも、回路図や取扱説明書、カタログなどの貴重な資料が、厳重に保管されていました

貴重なオーディオ機器本体の救出も大事ではありますが、僕はこれらの貴重な紙資料も保存してアーカイブしていく必要があると感じました。

そこで、現店主さんと協議し、回路図は現店主さんが引き取り、取説とカタログ資料は僕が引き取る、というかたちにしていただきました。
米国インフィニティのカタログなど、他ではまず手に入らない貴重すぎるものばかりです。愛機のInfinitesimal IIIのパンフレットやAurex SC-Λ90Fの取説も入手しました。

引き取ってきたQUADのカタログ

僕が引き取った資料はスキャンしてデジタルアーカイブ化し、スキャン後の紙媒体は「オーディオの足跡」管理人様をはじめ、需要があれば各所へお譲りできれば、と考えています。

本当ならば当サイト上で一般公開できればと考えているのですが、著作権の問題もありますので、当面は掲載予定はありません(現存メーカー・ブランドについては掲載許可の交渉も視野に入れています)
回路図については現店主さんと話を進めていて、ご意向が沿えばこちらもデジタル化できれば、と考えています。

在庫購入という名の、片付けのお手伝い

もちろんお客として、店頭在庫を購入するかたちでのお手伝いもさせていただきました。
今回の話を聴いて、超久々にオーディオ熱が再発してしまったので(笑)

レコードプレーヤーこそお店が太鼓判を押すマイクロMR-611ですが、カートリッジ(レコード針)が普及モデルのまま。ということで、上位クラスのMMカートリッジを3本、(オークションだと高価な)カートリッジキーパーとセットで購入。在庫処分で破格値なので、とても美味しい買い物です。

シュアのM44-7も購入できた

資料回収のため複数回お伺いしたのですが、訪問する毎に部屋内が片付いていき、初回訪問時は入れなかったエリアに入れるように。そこには、まだまだノーマークな機材たちが。

そこの奥にドンと居座っていたのが、英国クォード(QUAD)のエレクトロスタティック(コンデンサー型)スピーカー「ESL57」でした。完動品なのに誰も購入検討者はおらず、僕が拾わなかったら鉄くず行きだったようです。

ESL57

かねてからラウドスピーカーのエレクトロスタティック化を検討し続けていた僕にとって、このESLは絶好のチャンス。商談の結果、通常では考えられない破格値にて購入することが叶いました。オークションで落としたInfinitesimal IIIより安かったです(笑)
ESL57については、次回記事で掘り下げていきたいと思っています。

このほか、店頭で試聴機として用いられてきたDENONのCDプレーヤー1台と、ラックスマンのプリメインアンプ1台も、僕が引き取ることになりました。

他の客と比べたら微力ではありますが、お店のお片付けに貢献ができました。

“伝説のインフィニテシマル”

多田オーディオさんといえば、Infinitesimalの中身をオリジナルのエンクロージャーに移植して高音質化した“伝説のインフィニテシマル”も語るに外せない存在です。

この特製インフィニテシマルについて、店主の方から詳しく貴重な話を聞くことができました。

特製インフィニテシマルは合計6台が作られたそうです。そのうちネットワーク回路にアズキャストを用いた”上位グレード”が3台、アズキャストを用いていない”下位グレード”が3台作られたそうです。上位グレードは約50万円、下位グレードは約30万円で販売され、完売。
上位グレードは音楽家や電線メーカーの研究室が顧客として購入なされた、とのこと。

画像検索で出てくる個体は、その後顧客から買い取られた”上位グレード”の1セットだったそうです。買取後は社長が大事に店頭で保管をしておられたものだったのです。

この特製インフィニテシマルは移転後も店頭で展示されていました。
矢場町への初回訪問時はそのままの姿でおいてあった同機も、後日訪問時には中身が無くなり空のエンクロージャーだけになっていました。行き先は不明ですが、鉄くず化を免れたのは幸いでした。

お店がなくなっても、魂は消えない。

お店は本当になくなってしまいましたが、お店のフィロソフィーはイトケンさんや僕のオーディオ趣味の信念として確実に受け継がれています。

真のオーディオの理想形や、音楽鑑賞の楽しさを教えてくれたのは、間違いなく多田オーディオさんでした。こんなお店が名古屋にあった事自体、ある意味で伝説です。

お店に携わる皆様、本当にありがとうございました。そして、今まで長い間、ご苦労さまでした。

今後は僕たちがオーディオの魅力を伝えていく番なのかもしれません。
ESLの話を含め、オーディオの魅力を当ブログではまだまだ発信していきます。ポータブルオーディオばかりが脚光を浴びる中でも、ピュアオーディオの世界を一人でも多くの人に感じてもらえたら、と思います。 みず

(お店の外観を撮り忘れたのがちょっと悔しいです・・・)

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

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