53mm F2のロシアンレンズ「Helios-81M」で遊ぶ!

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今日はこんな記事です

実はロシアはカメラレンズ大国。ソ連時代にカール・ツァイスの技術を活用したレンズが大量に生産され、ツァイス譲りのその描写力に世界中皆ビックリしたそうな。今回、53mmのロシアンレンズ「Helios-81M」をお借りしたので、しばらく遊んでみました。

北方のレンズは安いのに写りが良い!?

カメラレンズといえば、日本メーカーやドイツなどのヨーロッパのメーカーの製品をよく連想すると思いますが、カメラを大量に生産した国家がありました。

ソビエト連邦、のちのロシアです。ソ連やロシアでは、市場シェアや製品の質はともかくとして、製造量としては日本やドイツなどのカメラ大国に並ぶレベルだそうです。

ソ連では戦前よりカメラの自国生産を目論んでいたようで、FED(フェド)などを中心として、ライカのコピーが作られるようになります。

第二次世界大戦においてドイツに進駐したソ連軍がカール・ツァイス(ツァイス・イコン)の製造設備を持ち帰り、それと一緒にツァイスの技術者なども自国へ連れて指導させたことで、戦後に入ってソ連国内でのカメラ生産は本格化します。

その後のソ連国内では、ツァイスの技術を享受できたことで、ツァイスのコピー製品が大量に作り出されることになりました。もちろん、本家から直接技術を知ることができたために、単なる劣化コピーではなく、ツァイスの技術力を活かしたレベルの高い製品が世に送り出されることとなるのです。もちろん、その描写力もコピー品の中では、ピカイチだったようです。

ソ連は共産国だっただけに、カメラ本体もレンズも長期間にわたって大量に作り出されました。

冷戦が集結し、ソ連が崩壊すると、日本を含む旧西側諸国でもソ連製のカメラ製品が手に入るようになり、ちょっと雑な外装ではあるものの、日本やドイツのメーカーとも引けを取らない描写力の高さで人気に火がつき、世界中のカメラファンを驚かせる存在でもありました。その人気の高さからか、一部の製品はソ連崩壊後のロシアで継続してつくられたようです。

人気の秘訣は、描写力が単に高かっただけではありません。共産圏のレンズということで、モデルチェンジされることはあまりなく、長期間にわたって大量生産されたものなので、中古相場がはるかに安いのです。安いのに、ツァイス由来の良い写りが得られるとだけあって、これが人気を博する理由のひとつになっています。

ソ連・ロシア製のレンズは、今では「ロシアレンズ」「ロシアンレンズ」の愛称でよばれています。ライカLマウントのほか、M42マウントのレンズが多く、日本国内でもM42を採用したペンタックス機やマウントアダプターを介してミラーレスなどで使用できることもあり、魅力があります。


今回、1本のロシアンレンズをイトケン氏よりお借りすることができたので、記事にしています。

名は「Helios-81M」、ライカLやM42が一般的なロシアンレンズのなかで、ニコンFマウントを採用したという希少な球です。ウクライナにあるキエフ製のFマウントカメラの標準レンズとして製造がなされていたようです。



意外と現代的な出で立ちだった

「Helios-81M」は、標準域をカバーする単焦点レンズ。焦点距離は53mmとこれまた微妙な値。50mmでもなく55mmでもないところがまた面白くて良いのです。開放F値はF2と単焦点にしては暗め。

外観は全面ブラックボディで、比較的新しいデジタル機に付けても違和感のない仕上がりです。D610に付けたときのバランスは良好。ボディに取り付け時、他のレンズのようにカチッとまで入らないことに違和感を覚えるのですが、装着後のロックには問題ないようです。
フィルター径は49mmで国産の汎用のものが装着できます。

サイズはAi50mm F1.8よりは大きめですが、AF50mm F1.8Sよりはコンパクトで、足しで持っていくにも苦にならない重量です。

マウントの規格はニコンAiに準拠していて、ニコンFマウントカメラの大半の機種で使用可能です。

クセがある、だがそれがいい

操作感はクセがあります。開放測光しか使えないので、マニュアル露出モードでプレビューボタンを多用して追い込んでいくスタイルになります。人によっては、慣れるまで多少の時間はかかるかもしれません。
フォーカスエイドは使えるので、フォーカシングは比較的楽。

驚いたのは、シャープな写りです。もう少しレトロな写りなのかな、と思ってたのですけど、なんと見事に現代的な写り方をしています。追い込みの精度が充分であれば、現行のAFレンズと引けを取らないものが撮れるのではないかと思ってしまいました。そこが、ツァイス譲りのロシアンレンズの魅力なんですね。

ロシアンレンズは機能性重視の国産レンズとはまたなにか違う愉しみがあるように感じられました。自分用にロシアンレンズを1〜2本漁ってみようかな、と思ってしまったくらいに(笑)

レンズをお貸しいただいたイトケン様、今回はありがとうございました。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

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