カルロス・ゴーンの逃亡も寝耳に水でしたが、個人的に寝耳に水だったのは、JR東海の社長が共同通信社のインタビューで新型車両「315系」の導入に言及したことです。中央線を中心に投入し、211系、213系、311系を置き換えるとも。
新年始まってすぐに発信されたこのニュースは、衝撃でなりませんでした。
不動ジャンクが216円!?
先日、不動ジャンク品ということで¥540で購入したTOMIXの南部縦貫鉄道キハ10形レールバスを紹介しました。
実は、この時の戦利品はこれだけではなかったのだ・・・!
「216円のDD51」がある、と。
もちろん、不動のジャンクらしい。
なんと、物は、エンドウのDD51、つまり真鍮製なのだ。
速攻で購入をお願いすることにしたのです。
真鍮製のDD51
エンドウのDD51は1978年に発売されました。当時はTOMIXが同年にDD51を発売したばかりで、DD51のNゲージはたった2製品しかなかった時代。製品数が少なかっただけに、Nゲージファンに歓迎されたようです。
EF57、EF58と同様プレス成形を多用。動力はカンモーターが採用されています。
とはいえ、当時の価格でTOMIX製とは3千円も差[1]TOMIXが¥3,300、エンドウは¥6,600があり、当時は年少者の多かったNゲージファンの多くはTOMIX製をチョイスしたのか、EF57やEF58と比べるとタマ数が少なく、なかなか中古市場で出回っていないのがこのDD51です。
出典 松本吉之著『鉄道模型考古学N』
シンプルだけど重厚
後日、受け取りました[2]もう半年以上も前の話ですが・・・
真鍮製ということで、すっきりした外観となっています。腰高感のあったEF58と比べて、車高は抑えられており、腰高感は弱くなっています。全体のプロポーションは良好といえます。
車番は無印刷で、プラ製のような別付けパーツもありません。EF58のように印字があるともっと良かったような気がしますが・・・。
白帯は塗装ではなくテープ?による貼り付けです。この個体は粘着力が弱まってきていて剥がれ気味です。
屋根上もプラ製のような緻密な感じではなく、凸凹の少ないすっきりとした素朴な出来具合です。
”動力不動”で買ったこれですが、南部縦貫鉄道レールバスと同じく、やっぱり動きました(笑)
216円のエンドウ製DD51、エンドウ製24系を牽く(カニ君調子悪いのでお休み) pic.twitter.com/NQxPMIHwt3
— セーラー服おにいさん (@Mc313_8507) June 14, 2019
カンモーターによる動力とだけあってか、動作音はかなり大きいです。グリス不足も考えられるかもしれません。
ライトユニットは別売りだったのかもとから標準装備だったのかは不明ですが、この個体では問題なく点灯もしました。
昔の模型にも触れてほしい
確かに真鍮製だと細部の再現度には限界があるのかもしれない。だけど、この間のしなのマイクロ157系の時にも書いたように、真鍮製じゃないとできないことだってあると思うんです。
たとえば、そのスッキリとしたプロポーションは真鍮じゃないとその美しさは強調できません。重厚でかつ実車のようなひんやりとしたボディは、淡々と細部まで表現しているだけの冷たい表現と違って、むしろ温もりのある表現のようにも見えます。
それが、いいのです。
今のプラ製Nゲージって、確かにシャープネスで見た目もリアルだし、それでいて動力もスムースでライトギミックも充実したものが多い。
だけど、何か見ていて物足りなさを感じるのです。正確すぎるがゆえに、のっぺらなプロポーションのものが多いように感じます。要するに、冷たい表現なのです。眺めていて何の感動も覚えないのです。なぜならば、ここまで緻密な表現がもう当たり前になりすぎているから。
オーディオに例えるならば、Nゲージでいうところの表現の雰囲気の良さ(≒温もり)は「音色」に近いと感じます。最近のオーディオ機器たちはみんな物理特性などの数字とスペックだけで作られている。だから、解像度や音場などのポテンシャルは高いんだけど、音色が変化しないからのっぺりとした音になるんです。昔のアナログ時代は解像度こそ高くなかったものの音色の響きが総じて良かったんです。
Nゲージでも一緒で、最近の製品はシャープネス過ぎてなにも味がない。だけど、今日紹介したようなエンドウの真鍮製は、確かに緻密度では圧倒的に劣るかもしれないけど、真鍮製ならではの味を楽しめるという点で大いに存在価値があるのです。
「新しい=良い」とか「緻密=良い」というわけではありません。だからこそ、昔の模型にも触れてほしいなと思うばかりです。
今の模型では味わえない愉しみが、そこにはあるのです。(完)