ボッチャの練習へ行くと、車椅子の方が結構参加されるのですが、ある子の車椅子のタイヤにヤマハのバイクが3台ほど描かれていて、なんでだろう?と思ってたのですが、その日の午後、これまた別の子の電動車椅子を見てたら、操作部やバッテリーにヤマハ発動機のロゴが付いてるではありませんか!
なるほど、ヤマハ発動機って車椅子メーカーだったのですね・・・。
今日はそんなヤマハ発動機の源流となったヤマハの製品のお話です。
ハイエンドモデル「DSP-AX2」
前回の記事でオーディオシステムの再編を行った話をしましたが、その再編のきっかけを作ったのが、ヤマハのAVアンプ「DSP-AX2」の導入です。
定価20万のハイエンドモデル
「DSP-AX2」は2000年発売のハイエンドモデルで、AX1で培われた技術を活かした機種です。フラッグシップモデルであるAX1に次ぐナンバー2の位置づけとされ、当時の定価は20万とAVアンプの中では高価な部類でした。
AVアンプで圧倒的なシェアを持つヤマハの意欲的なモデルだったと思えるのですが、当時既に存在していた価格.comには現在まで登録がなく、旗艦AX1とコスパの高いミドルクラス(AX10)との間に位置する中途半端な立ち位置であったことは否めません。ネットの情報も非常に少なく売れ行きは芳しくなかったのでしょう。
定価20万が¥5,000で買える!
前回記事でも書いたのですが、AVアンプは同価格帯の比較ですとプリメインアンプに音質面で大きく劣ってしまうため、ピュアオーディオを志向するマニアから受け入れられることができないためか、プリメインと比べて中古相場が安いのです。これはエントリーやミドルクラスだけでなく、ハイエンドやフラッグシップにまで同じことが言えるので、安価にそこそこの音質が欲しい場合やDAコンバーター付きアンプが欲しい場合にはAVアンプは一つの選択肢になりえます。
AX2はちょっと遠くにあるハードオフで見つけました。ジャンクとはいえ全ch正常に音が出る状態で¥5,500(税込)だったのでヤフオク相場[1]落札相場での本体の落札価格だけでなく送料を加味すると大差なかったと照らし合わせても充分安いです。定価20万のプリメインだったらジャンクでもこの値段でまず買えないですから。
この日はプライベートで職場の方の車に同乗でしたから、そのまま家までこの22kgの塊を持ち帰るのは楽勝でしたw
大きなボディにヤマハのエッセンスが凝縮
22kgでフルサイズボディ。これまで入手した機材の中では”超弩級”と言ってもいいほどデカイボディです。
ボディはアルミ仕上げとなっていて、メーカーサイトではゴールド感が強いですが、実際はゴールドというよりはシルバー気味ってます。
前面はシンプル。ヤマハの上位機種は伝統的にシーリングパネルが採用されていて、このすっきりしたデザインが実現できているのはこのパネルのおかげ。操作部はこのパネルに隠れていて、基本操作はリモコン無しでも操作可能です。ちなみに今回はリモコンも付属していたので、不自由なく操作できます。
背面は入出力端子がびっしり。デジタル入力も豊富なので困りません。
AX2の上にはONKYO C-773を設置。横にはテクニクスSB-F20を配置して、シルバー系統でまとめてみました。メーカーが違うのに謎の統一感が出ているところが面白いですね。
<スポンサードリンク>
センモニと並ぶヤマハの銘機「NS-1 Classics」
その後、イトケンさんが使用されていたヤマハのスピーカー「NS-1 Classics」がウチにやって来ることになりました。
「NS-1 Classics」が登場したのは1988年。当時は国内メーカーが競って定価¥59,800のバカでかいスピーカーを出し合う”598戦争”に疲れ果てていた時期[2]ヤマハも「NS-700X」という598スピーカーを出していたのですが、早い段階で598戦争から撤退し、物量主義を改めることになったようです。で、それまでの機種とは関連のない、新しいタイプのスピーカーでした。
PPコーン製のウーハーとソフトドームツイーターが採用されたのが一番の特長で、磁気回路に当時流行りのアルニコを用いるなど、“量よりも質”を重視して作られた設計です。そして、”クラシックス”の名にあるように、クラシック音楽の再生を重視しているのか、柔らかいサウンドが特徴です。
NS-1 ClassicsはNS-1000M(センモニ)やNS-10M(テンモニ)と比較すると知名度は低いですが、ピュアオーディオファンからの評価は高く、ヤフオクでも15,000円は下回らない人気ぶりです。
初めての”音色の良い”スピーカー
このNS-1 Classicsをイトケン様より格安[3]ヤフオク相場より安いで納入しました。
ありがとうございました!
このスピーカーは始めての木製エンクロージャーのスピーカーです。今まで使ってきたスピーカーとは高級感が全く違います。色焼けがあるとのことでしたが、これはこれでビンテージな感じがして好ましいですね。
AX2はメインスピーカー端子が2系統あり、1系統はNS-1 Classics、もう1系統はSB-F20に繋ぎました。NS-1にはヤマハのケーブル「YSC-2500」を使用し、AX2側はバナナプラグ化しています。SB-F20側も同様に古河の2スケアSPケーブルに交換しました。
余談ですが、AX2のヘッドホン端子は不調でした。AX2はプリアウトが可能なので、プリアウト端子からサンスイAU-α307へ出力してAU-α307経由で聴けるようにすることにしました。
柔和で表情豊か
AX2とNS-1の奏でる音は?
さて、気になる音質ですが、評判通り柔らかく包み込まれるような心地いい音に仕上がっていますね。
同じメーカーとだけあってAX2とNS-1の相性はバッチリです。名前の通りクラシック音楽やリスニングジャズに最高です。弦楽器と管楽器の織りなす音色は素晴らしいの一言です。高域はキンキン感がまったくなくスッキリで素朴な味わいなので、実に聞きやすいのです。
低域はヤマハらしくおとなしい印象ですが、締りは良好で、素直な出方だと思います。
もちろん、ポップスやアニソンも自然に聴けます。聴き疲れを感じないので、じっくり聴くのも作業用BGMとして使うのも、これ一本でイケるのです。ただロックやパンクにはちょっと不向きかな。
硬いのも柔らかくなる
そして驚いたのが、AX2のポテンシャルの高さです。AX2単体でも、柔和で表情豊かなサウンドがそこそこ実現できるからです。
スピーカー出力をテクニクスSB-F20に切り替えると、あの硬い音のするSB-F20が少し柔和なサウンドに変貌するのです。TRIO KA-800で音出ししたときのキレッキレの音とは違い、トゲ刺さりのない優しい傾向です。ただし、ベースが硬くて無表情のスピーカーなので、NS-1ほどニュートラルにするにはやはり厳しいのは事実でしょう。
Switchゲームを迫力で楽しめる
レグザが光デジタル出力を持っているので、AX2ともデジタル接続できるため、テレビからの音もAX2のいい音で楽しむことが可能です。
先日購入したNintendo SwitchがHDMIでレグザと接続できることから、レグザを介してAX2でSwitchゲームの音を楽しめます。
Switch版YouTubeを開き、上記のようなリラックスジャズ動画を聴くと、その音の良さに驚かされます。Macで同じ動画開くよりも音がいいような感じがします。Switch自体音の素性は良いようなので、ぜひともテレビのスピーカーではなく、AVアンプの音でもっと楽しみたいものです。
買ってよかったと思える一品
金欠だったしAX2を買う時は少し悩んだのですが、後悔するなら買ってからのほうが精神衛生上良いと思ったので、購入に踏み切りました。
僕の期待以上に心地いい音のするのがわかって、買ってよかったなと思っています。大満足です。
しばらくはこのDSP-AX2とNS-1 Classicsで遊んでみようと思ってます。
脚注