ひょんなことから、それまで常用してきたAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRと、大口径標準ズーム「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」をトレードすることに!当時の定価26万円のニコンの最上級レンズはZマウントでどんな写りをするのか!?
トレードでやってきた
これまでニコンとフジを中心に撮影趣味をなされてきたイトケンさんが、撮影趣味の縮小をなされることになりました。理由は彼のブログ記事を読むのが早いですが、簡単に言うと、この情勢下で撮影イベントが激減し、彼がメインとしてきたポートレート(主にコスプレ)撮影の頻度が格段に減ったことが最大の理由として挙げられています。
この縮小でDf・フジ機(※以前僕が所有していたX-E1とX-A1)とオールドレンズに所有機材を集約させ、それまで使っていたナノクリレンズ(”大三元レンズ”や、58mmなど)を一気に四日市のニシムラカメラさんへお売りになられたのです。
その中で、ニシムラカメラさんに嫁ぎに行かず、私の手元にやってきたレンズが1本。
「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」です。
中古相場よりもはるかに安い好条件(詳細は控えます)にて譲っていただけるとのことでした。この24-70mmを購入することで、これまで使ってきたAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRの使用頻度は大幅に下がると考えられたので、この24-120mmとトレードすることで”物々交換”の形でやってきたのです。まさにわらしべ長者(笑)
イトケンさん、今回もありがとうございました!
“大三元”の一角を担う大口径標準ズーム
「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」は、フラッグシップモデルD3とほぼ同時期の2007年に発売された、大口径標準ズームレンズ。ちょうどニコンがFXフォーマット(フルサイズ)に本腰を入れ始めた時期で、その前年から新機軸として採用していた「ナノクリスタルコート」を採用。前モデル「Ai AF-S Zoom-Nikkor 28-70mm f/2.8D」と比較して広角端が拡大し、ようやくキヤノンとスペックが並びました。
当時の定価は税別267,500円。ニコンの標準ズームの中で最高級ラインで、14-24mm・70-200mmのF2.8通しの同グレードと並んで、いわゆる”大三元”の一角を担う存在です。フォトグラファーにとって、この大三元レンズを揃えるのが憧れな人は多いかと思います。
このAF-S 24-70mm f/2.8Gは今でも根強い人気を誇り、並品でも7~8万円台と、さすが高級レンズとだけあって中古相場が安定しています。それでもZマウントのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sが出たことで、Zへの移行が進みだいぶこなれてきた感はあります。
作りはワンランク上
元箱とケース付きで手元に来ました。
やはり最上級グレードとだけあって、キットレンズとして用いられていた24-120mmと比べると、各所の作りがワンランク上に感じます。梨地処理や距離環の窓などは24-120mmと比べてもそう大差ないのですが、フード(HB-40)がロック付きだったり、勝手に鏡筒がビヨーンと伸びてこないように配慮されていることなど、見えない部分で圧倒的に差があります。
また、24-120mmでは付属しない専用のレンズケースが付属しています。
大口径標準ズームではありますが他社よりも細長いスタイルが特徴で、フィルター径も77mmと使い勝手はΦ82mmになってしまった現行Eタイプよりも上だと思います。
フィルターは最初PRO1Dプロテクターでしたが、先日の近所のリサイクルショップの投げ売りでケンコーZetaプロテクターが1,080円と激安で買えたので、Zetaプロテクターに変えました。ゴールドの文字は24-70mmの金リングとの相性も抜群。
確かに重いレンズですが、24-120もそれなりに重かったからか、さほど重いとは感じずボディの小型化で逆に持ちやすくなっているように思えます。この24-70mmはVR(手ブレ補正)はありませんが、Z6にはボディ内VRが搭載されているので手持ち撮影でも遺憾なく発揮します。
立体感のある描写にうっとり
シャープネスやボケ味等の基本的な描写は24-85mmや24-120mmのエントリーレンズでも充分得られるよう写りではありますが、AF-S 24-70mm f/2.8Gの写りは、それらを遥かに超える別次元の描写力を持っています。
とくに立体感は、息を呑むほど。絞り開放から安定していて、エントリーグレードだと淡くて汚れたように見える色合いも、ぐっと改善しています。
とりわけ、商品撮影では24-120mmでもシビアで満足行く画質を得ることができず撮影に気を使っていましたが、24-70mmであればライティング設定とピント合わせさえしっかり出来れば満足行く仕上がりのカットがでてくるようになり、撮影にかかる手間や時間が大幅に縮小できました。
この24-70mmで撮影できないカットは商品撮影の分野では無いと思えるくらい、万能なレンズです。望遠側にやや物足りなさはありますが、Z6ならDXクロップでも1000万画素相当で維持できるので、クロップを併用すると敵なしです。
プライベートスナップはもちろん、仕事も淡々とこなせるのは、さすが最上級グレードのレンズだからと行っても過言ではないと思います。
NIKKOR Z 24-70/2.8Sは段違いにヤバいんでしょうけど、旧AF-S 24-70/2.8GでもZ6で満足行く画質を得ることができるのどころか、F1.4~1.8クラスの単焦点レンズと比べても遜色ない写りをしてくれるので、個人的にはNIKKOR Zレンズも単焦点レンズも要らないんじゃ?と思うようになりました(笑)
後継モデルもすでにあるし、最近はZへの移行が進んだためか、中古相場もかなりお得になりましたね。今平均7~8万円前後で、安い個体は6万円台で手に入ります。現行Zマウントでもいかんなく性能を発揮できて、Zの持つ軽量ボディやボディ内VRとの愛称もバッチリなので、”大三元高級レンズ”を安く入手したいなら一手だと思います。
当然ながら、今まで触った中で最も素晴らしい一本。今後も仕事とプライベートの両方で大活躍することは間違いないでしょう。