ダイソーの300円イヤホンに、新モデルが登場しました。新モデルはアルミハウジングを採用し、音質別に5種類のバリエーションを用意しているのが特徴です。普段100円ショップのイヤホンを買わない僕が、この新モデルを買って聴いてみました。その音は!?
派生モデル「EV」シリーズについて少し加筆しました。
300円イヤホンがアルミハウジングに!
ダイソーのイヤホンの種類は、なんであんなにあるんだろう?ってくらいに多機種ですよね。僕はこれまで100円ショップでヘッドホンは時々買うことがあっても、イヤホンはほとんど買っていませんでした。ちゃんとした数千円のメーカー品を買ったりもらったりしてるしね。先日だって、誕生日プレゼントで有線ピヤホン(ALPEX HP-A1000PN)をうらにゃんからもらってます。イヤホンはいっぱい持ってるから、買う理由がないんですよね。
(あ、今思ったらレビューしてないけどキャンドゥで500円ワイヤレスイヤホンは買ってますね)
100円ショップのイヤホンを買わないようにしてたのは、音質の面で”安かろう悪かろう”のイメージが強かったから。10年前の中学生だったときに、ダイソーのイヤホンを聞いてみたら、低域スッカスカで5分来ずに限界が来ました。それ以来、100円ショップのイヤホンは避けていました。
前置きはさておき、昨日もダイソーの定期パトロール。近所にできたから足を運ぶ頻度が増えました。
久々にイヤホンを覗いてみたのですが、ちょうど300円イヤホンのモデルチェンジがかかっていて、出たばかりらしい製品が並んでいました。
興味深いのは、ハウジングがプラからアルミハウジングに変わっている点です。それでいてお値段は据え置きということで、ちょっと興味が湧いてしまいましたw
音質の好みで選べる5つのバリエーション
面白いのはこれだけではありません。5種のバリエーション展開のようですが、1種1種音質のチューニングを変えているのです!
似た手法はサンスイのイヤホン「SEY-7」でもありましたが、これに近い展開のやり方でしょうか。
派生モデル「EVシリーズ」を含めた、バリエーションは以下の通り。
機種名 | パッケージの説明 | パッケージ色 | ハウジングのカラー |
---|---|---|---|
AL-001 | 迫力低音+ヴォーカル伸びやか(低中域重視) | 水色 | 青・赤 |
AL-002 | 迫力低音+ヴォーカル伸びやか(低中域重視) | 青 | シルバー・黒 |
AL-003 | すっきり クリアな高音域(高域・解像度重視) | 赤 | 黒・ローズ |
AL-004 | オールマイティ バランスタイプ(バランス重視) | 金色 | 黒・ゴールド |
AL-005 | リズム際立つ 迫力の重低音(低域・迫力重視) | 灰色 | グレー・黒 |
EV-001 | 臨場感ある、楽曲再生(低域・迫力重視) | 紫 | 紫 |
EV-002 | 臨場感ある、楽曲再生(低域・迫力重視) | 赤 | 赤 |
001と002は同じハウジングですが、それ以外はハウジング構造は全く別。1モデル2カラーで、同じモデルのカラバリかと思ったら、全く別機種の扱いに見えます。実質的には音質別にみて全4機種で1機種は4色展開、ということですかね。
共通していることは、アルミハウジングであること、リモコンマイクが付いている点、1.2mコードである点など、です。
派生モデル「EVシリーズ」について
2022年2月、派生モデルとなる「EVシリーズ」が登場。型番は違うものですが、バッケージデザインが共通となっている点や、アルミニウムハウジングを使っている点などから、ALシリーズの派生モデルと言えます。
EVシリーズについては、近日公開予定の新記事で別に解説する予定です。
バランスタイプの「AL-004」を聴く
今回は、ゴールドパッケージのバランスタイプをチョイス。機種型番は「AL-004」となっています。実際、このバランスタイプが一番売れているようです。
内容物は本体のみ。イヤーピースはMサイズ相当のが付いているだけなので、ほかのイヤホンでSやLを使ってる人は別途イヤーピースを買いましょう。個人的にはソニーのハイブリッドイヤーピースがオススメ。セリア等で売られている低反発のものもいいと思います。
ケーブル長は1.2mで、LR分岐点にリモコンマイクがあります。通話ボタンのみで再生停止の機能は付いていないのが惜しいです。
装着感はイマイチで、イヤーピースの精度にバラツキがあるようです。Mサイズの耳の人も、ソニーのハイブリッドイヤーピースを買ったほうが良いかも。イヤーピースのほうが高いけど(笑)
え?これで300円?と思うほどの透明感
購入直後のエージング前の評価ですので、その点にご留意ください。
MacBook Airに直刺しで聴いてみたところ、思いのほかクリアな音が出ていることにビックリです。ほかのイヤホンではアラが見えてしまうApple Musicの音も、充分良い音に聞こえるのが不思議です。
“バランスタイプ”と謳われていますが、弱ドンシャリな感じ。アルミハウジングゆえに高域がややキツめではありますが、高域がキツめになりやすいオーディオテクニカの安イヤホンと比べれば、かなり大人しい出方です。低域は引き締まっていて安定してます。ややボーカルが遠めなのと、安イヤホンにありがちなコモリはありますが、ボワボワ感は全く感じられず、価格の割に完成度の高い音をしています。
つーか、有線ピヤホンよりクリアな気がしなくもないです・・・気のせいだよね?
低域が魅力の「AL-001」を聴く
結局、他のモデルの音質も気になり、「AL-001」「AL-003」「AL-005」も追加で購入しました。
「AL-001」は低〜中域を重視したチューニング。基本設計は先に紹介したAL-004と同じですが、ハウジングの形状は全く異なります。デザインはオーテクのCKMのエントリーモデルを感じさせるテイストです。
なお、「AL-002」は色違いで、001と002をあわせて4色から選べるようになっています。
さっそく聴いてみたところ、低域が思ったより上品な鳴り方をしており、重厚感があります。それでいて高域の伸びも思ったより悪くなく、邦楽などポピュラーミュージックを聴くのに最適化されているように感じます。ハウジングが大きいからか、余裕のある鳴り方だと思いました。
ジャズとの相性が最高の「AL-003」
「AL-003」は、001とは逆で、高域を重視したモデル。曲線美を感じさせるシックなデザインで、アルミ素材を最も活かしきれているデザインです。
聴いてみたところ、普通のドンシャリですね、これは。高域の伸びは綺麗に出ていますが、低域が安定せず団子状態。邦楽を聞いているだけでは、締まりが弱く、多少のボワつきが気になりました。
しかし、スムースジャズに切り替えてみると表情は一変。明るく爽快なサウンドが、耳に心地良い刺激になっているのです!低域も思った以上に安定していて、全然イケます。
ボーカル曲よりは、インストで聴いたほうが楽しいかもしれませんね。
「AL-005」は100円ショップのイヤホンの常識を破る
最後の「AL-005」は、このAlシリーズの中でも最も重低音に振り切ったモデル。デザインは思った以上に落ち着いていてシンプルです。
シンプルな見た目とは裏腹に、音は個性的。同じく低域重視の001・002と比べるとクセは強くはなりますが、ズンドコ来る重低音が、めっちゃ響きます。パッケージの記載通り、迫力は満点です。高域の伸びも良いし、ボーカルもわりかし近いので、ライブ感あると思います。
今までの100円ショップのイヤホンが苦手としていた低域を見事克服。JVCのXXシリーズも顔負けの、というかそれよりも面白い音が300円で出せるってのが凄いです。
もう”悪かろう”とは言わせない?
Macで作業するだけなら、これで充分じゃね?
そう思ってしまうくらいには、完成度の高さを感じた今回の新しい300円イヤホン。
欲を言えば、500円くらいで再生コントロールもできたら最高だったかな?とも思えますが、それを抜きにしてもハイコスパなのは間違いなしです。
10年くらい前の”安かろう悪かろう”はどこへやら。
100円ショップのイヤホンに抵抗ある人も一度聴いてみてほしい、そんな一本です。