【鉄道模型をはじめよう!】#02 鉄道模型にはどんなスケールがあるの?

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鉄道模型ビギナーさん向けの解説記事です。
今回は、鉄道模型の縮尺とゲージの種類について解説します。

 

前回:【鉄道模型をはじめよう!】#01 鉄道模型と鉄道玩具(おもちゃ)の違いって?

縮尺とゲージ

まず、「縮尺」と「ゲージ」についてお話しましょう。

「縮尺」とは、実物と模型の大きさの比のことをさします。よくプラモデルだと「1/64」みたいなのが書かれていますが、これが縮尺です。「1/64」の例だと、縦横の長さがそれぞれ64分の1となった大きさとみることができます。別名「スケール」ともいいます。

 


出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8C%E9%96%93

「ゲージ」は線路幅のことで、実物でいう”軌間”のことです。鉄道のレールは2本敷かれていますが、その間の幅のことを軌間といいます。実物の例を出すと新幹線や関西私鉄の多くが1435mmの標準軌、JR在来線や名鉄などは1067mmの狭軌を採用しています。

鉄道模型でも様々な線路幅(ゲージ)が存在し、それによって縮尺も決まってきます。

 

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世界中で主流の”3大ゲージ”

さて鉄道模型は様々なゲージが存在すると言ったのですが、鉄道模型を始める方はまずは3つのゲージ(スケール)を知ってほしいと思います。むしろ以下の3つ以外はほとんど知らなくても良い世界と言っても過言ではないかもしれません(笑)

■Nゲージ(9mm)


レール幅が9mmで、縮尺が海外型と新幹線で1/160、日本型の在来線車両で1/150になります。”Nゲージ”の語の起源はN=Nine(9)から来ています。

小型化と精密化、そして走行性能をバランス良く取り込むことができ、持ち運びにも適したスケールです。

 

もとはドイツのアーノルト(アーノルド)社が「アーノルト・ラピード(Arnold Rapido)」のブランドを用いて1/160・9mmゲージで発売したことがきっかけです。アーノルト・ラピードで採用された連結器(鉄道模型ではカプラーと呼ぶ)は安定性に優れており、現在でも「アーノルドカプラー」としてNゲージの標準カプラーとなっています。

日本では、現在のKATOブランドを展開することになる関水金属1965年に「9mmゲージ」としてC50蒸気機関車を発売しました(余談ですが関水金属参入前に、ソニーがソニーマイクロトレーンの名で試作までしたものの、発売を断念しています)

その後、トミー(トミーナインスケール→TOMIX)、学研(ミニトリックスと連携)、ホビーショップMAX(→現・グリーンマックス)等と1970年代に入って参入メーカーが相次ぎ、70年代後半のブルトレブームからのNゲージブームによってHOゲージから主役の座を勝ち取りました。

■HOゲージ(16.5mm)


(左がHOゲージ)

レール幅16.5mmで、縮尺が海外型と新幹線で1/87、日本型の在来線車両で1/80です。

HOの名称は、レール幅がOゲージ(32mm)の半分であることからHalf Oの頭をとってHOと名付けられました。

Nゲージの2倍以上の大きさを誇り、Nゲージでは実現できないより高い細密化や重厚感が特徴です。

海外では最も主流なスケールで、日本でもNゲージに続く主流のスケールです。日本では縮尺1/80のものを「16番(ゲージ)」と呼んでそれ以外の縮尺のものを区別することが多々ありますが、メーカーや販売店によっては16番の名前は使わない所も多いです。

日本ではNゲージと比べて高価なため、収入や貯蓄が安定し、老眼や体の衰え等でNゲージをいじるのが難しくなった中高年の方がユーザーの中心となっています。

■Zゲージ(6.5mm)

世界で最も名高いドイツのメルクリン社が提唱したレール幅6.5mm・縮尺1/220のスケール。

Nゲージよりも小さく、テーブル上で長編成を楽しんだり、トランクレイアウトなどの移動式のレイアウト(ジオラマ)をも手軽に楽しむことができるのがウリです。

登場後しばらくはほぼメルクリン独占の規格でしたが、2000年代に入ってから日本でも複数メーカーが参入し始め、大型の模型店や通販で買いやすくなりました。

 

ほかにも、

  • 1番ゲージ(1/32、レール幅45mm)
  • Gゲージ(1/22.5、レール幅45mm)
  • TTゲージ(レール幅12mm)
  • Tゲージ(レール幅3mm)

など、様々な縮尺のものがあります。

 

日本ではNが主流

海外ではHOが主流なのに対し、日本ではNゲージが最も普及しています

その理由として

  • 狭い日本の住宅に向いているサイズだった。長編成化してもブックケース1〜2個で済む
  • 真鍮製をメインとしているHOと比べて、プラスチック製メインだったNゲージは大量生産に向いており価格が手頃となった。バックマンから供給を受けたトミーナインスケールは低価格だったため、子どもでも手を出しやすかった
  • 年々造形や走行性能の改良が加えられ、HOゲージにも引けを取らない精密感や既存HOゲージより高い走行性能を実現できた
  • TOMIXがいち早く道床付きレールを発売し、KATOが追従した。道床付きレール発売によってお座敷レイアウトがしやすくなった
  • KATOやTOMIXは初心者向けのセットを積極的かつ継続的に発売していること(HOゲージでは過去にカツミが展開していたが、現在では消極的)
  • レンタルレイアウトがある程度普及し、手持ちが車両のみでジオラマ無しでも楽しめるようになった

などが挙げられます。

 

鉄道模型を始める人の大半がNゲージであり、お店へ行っても大々的に売られているのはNゲージなのです。

なので、この連載でもNゲージを導入を主眼に置いて解説していきたいと思います。

 

(つづく)



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