月額700円という手頃な掛け金で加入できるモバイル端末専用保険「モバイル保険」を前回紹介しました。この後編では、キャリアの端末補償サービスやAppleCare+などの他社の補償サービスと比較して、どれに加入したらいいかを、解説していきます。
1記事にすると文字数が多くなり長ったらしいトピックになりそうでしたので、前編と後編に分けて書いています。前編も合わせてご覧ください。
「モバイル保険」紹介記事後編です。前編では、「モバイル保険」の概要やメリット・デメリットを解説しました。後編では、もっと具体的に踏み込んで、他社サービスとの比較も交えて、どの保証(補償)サービスを受けるのが良いのか、解説していきます。
キャリアの端末補償・Apple Care+と比較
モバイル端末の補償では、通信会社も端末補償サービスを提供していますし、Apple製品はAppleCare+の延長保証も加入できます。ここでは、iPhoneとMacを例に、他社サービスと比較してみます。
ケース1 iPhone 11をソフトバンク回線で使用する場合
モバイル保険(主端末) | AppleCare+for iPhone | あんしん保証パック with AppleCare Service | |
提供元 | さくら少額短期保険㈱ | Apple | ソフトバンク |
料金 | 月額700円(非課税) | 16,800円+税 (盗難・紛失プランは2,000円高) | 月額890円+税 |
支払い方法 | 月払い (クレカ、ケータイ決済、口座振替) | 一括払い(購入後30日以内) | 月払い(携帯料金合算) |
保証(補償)期間 | 契約中ずっと | 購入から2年間 | 契約中ずっと |
シムフリーモデルの適用 | ○ | ○ | ×(SB版のみ) |
修理受付店舗 | どこでもOK | Apple公認サービスプロバイダ | Apple公認サービスプロバイダ、 ソフトバンクショップ |
バッテリー交換 (7,400円) | × | 0円 | 0円 |
ディスプレイ修理 (21,800円) | 補償額内なら0円 | 3,400円 | 3,400円 (後日PayPayボーナス全額付与) |
その他自然故障 | 補償額内なら0円 | 0円 | 0円 |
過失による物損故障 (43,800円) | 補償額内なら0円 | 11,800円+税 | 11,800円+税 (後日PayPayボーナス全額付与) |
盗難 | 最大25,000円の補償 | 11,800円+税で交換 | 11,800円+税で交換 |
紛失 | × | ||
製品交換 | 修理業者判断で交換となった 場合は補償の対象 | ○(エクスプレス交換サービス) | ○(SB独自の交換サービス/ エクスプレス交換サービス) |
付属品の補償 | × | ○ | ○ |
データ復旧 | × | × | ○ |
電話による ソフトウェアサポート | × | ○ | ○ |
他者譲渡 | × | 1回までOK | × |
キャリア版iPhoneでは、
- モバイル保険
- AppleCare+
- キャリア独自の端末補償サービス
の3択の選択肢になります。
③のキャリア保証については、現在3社ともAppleCare+に独自サービスを付加したもので、月払いを可能としています。ほぼカバーしうる保証内容が内包されており、キャリア版を購入するなら③が最強です。
シムフリーiPhoneの場合、純正のAppleCare+が2年しか適用できないので悩ましい選択ですが、モバイル保険というのも大いにありです。単純計算で最低でも年2回まで実質0円で修理してくれるのは掛け金の安さからしても魅力的です。
ただしモバイル保険は自然消耗に関する修理や外装修理、紛失に対する補償はありません。スマホは小ささゆえに失くしやすいという点もあることから、1万円強の追加で交換してくれるAppleCare+盗難・紛失プランのほうがメリットは高いといえます。
サブ機としてライトに運用していくならAppleCare+ではなくモバイル保険で安く済ますのも一手です。
ちなみにモバイル保険は他保証との併用が可能です。AppleCare+との併用も可能なので、物損修理で生じた追加料金をモバイル保険でカバーできることもあるでしょうから、サブ保険として入っておくと強い味方となってくれるでしょう。
Androidスマホの場合は、キャリア版は外装交換や紛失盗難までカバーしてくれるキャリアの保証がおすすめ。一方、シムフリー版はAppleCare+のような強力な保証サービスを提供しているメーカーも少ないので、モバイル保険に加入する価値がグンと上がってきます。
ケース2 MacBook Air (M1モデル含む2020)の場合
モバイル保険(主端末) | AppleCare+for Mac | |
提供元 | さくら少額短期保険㈱ | Apple |
料金 | 月額700円(非課税) | 23,800円+税 |
支払い方法 | 月払い (クレカ、ケータイ決済、口座振替) | 一括払い(購入後30日以内) |
保証(補償)期間 | 契約中ずっと | 購入から3年間 |
修理受付店舗 | どこでもOK | Apple公認サービスプロバイダ |
バッテリー交換 (12,800円) | × | 0円 |
過失修理の回数 | 補償限度額内なら 無制限 | 期間中2回まで |
画面・外装修理 | 補償額内なら0円 | 11,800円 |
自然故障 | 補償額内なら0円 | 0円(回数無制限) |
過失による その他の物損故障 | 補償額内なら0円 | 33,800円+税 |
盗難 | 最大25,000円の補償 | × |
紛失 | × | × |
付属品の補償 | × | ○ |
電話サポート | × | ○ |
他者譲渡 | × | 1回までOK |
Macの場合はちょっとまた変わってきます。AppleCare+は加入料がより高額になる上、一括払いしかできません。AppleCare+for Macは盗難・紛失時の保証もないため、掛け金の安さや盗難補償の面でモバイル保険のメリットが増えてきます。
一つ気をつけたい点としては、MacはiPhoneと比べても修理代が高額になり、平均で7〜8万円、場合によっては10万円を超えるときもあるため、いくら回数無制限のモバイル保険と言えど、修理回数に限度があるところです。
モバイル保険では(メーカー保証が消滅する2年目以降)自然故障と物損故障で合わせて10万円になります。なので、Macの場合は、年1回程度しか全額補填はできないでしょう。1回壊れて修理したらその先1年の間は実費修理を覚悟しなければいけません。
また、摩耗によるバッテリー交換は対象外で実費がかかります。現在のMacはユーザーのバッテリー交換が不可なため、所定の修理料金がかかります。
そのあたりは注意が必要ですが、昔のPCと比べれば自然故障の確率は減っていますし、そこまで気にする必要はないでしょう。
家で使うだけであれば落としたり衝撃を与えたりなどの物損故障のリスクは激減します。そのことを考えると、電源をつなぎリビングに置いて手軽に使うホームPCの用途であれば、モバイル保険だけでも事足りるケースもあるかと思います。その一方で、毎日ガッツリ持ち歩いて使用するのであれば、できる限りAppleCare+に加入するのが賢明と言えます。
また、AppleCare+のメリットに、電話サポートが好きなときに受けられる点もあります。遠隔サポートを受けられるという側面からして、Mac初心者の方はAppleCare+は進んで加入しておくべきだと思います。Macを購入される際は本体だけでなくAppleCare+も含んだ額を予算額に設定して購入するほうが良いでしょう。
結論:メインよりはサブ保険として使いたい
モバイル保険について、前後編に分けて紹介しました。
メインの保険としても気兼ねなく使えますが、サブの保険としての使い勝手がとても良く、プラスワンの安心を買うにはもってこいの保険です。
AppleCare+や延長保証・キャリアの端末補償サービスとも併用が可能で、それらのサービスで追加の修理料金が発生してもモバイル保険が補償してくれるので、安心して端末を使いこなせるようになりますね。
ぜひモバイル保険、加入を検討してみてください。