今月から、当連載は月3回の更新としたいと思います。
今日は鉄道模型の必須アイテムのひとつ「レール」について解説します!
鉄道模型のレールの種類
Nゲージのみならず、鉄道模型のレールには、以下の種類があります。
■道床付組線路
道床(線路周りに敷かれる砂利。バラストともいう)がセットになった組線路です。
「組線路」は、メーカーがあらかじめ長さや複線間隔、曲線カーブの値などの規格を定めてあり、その規格に準じて作られたレールのことをいいます。
現在のNゲージでは主流となっていて、KATOの「ユニトラック」、TOMIXの「ファイントラック」が日本では販売され使われています。
■道床なし組線路
道床がない組線路です。かつてはKATOがアメリカのアトラス社から輸入して販売していましたが、現在は販売終了となっています。
現在は中小メーカーによりポイント(分岐器)等が主に売られています。
■フレキシブル線路
規格に沿って作られた組線路とは違い、自由に曲げたり切ったりができる道床なしのレールです。組線路にはないような大径のカーブを作ったり、組線路では対応できない端数部分に使うなど、補助的な役割で使用されることが多いです。
KATOから発売されているほか、プラッツも英ピィコ(PECO)社製品を輸入して販売しています。
[鉄道模型]カトー (Nゲージ) 21-000 フレキシブル線路 808mm 10本組 価格:2,330円 |
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日本では9割以上で道床付組線路が使用されており、その補助でフレキシブル線路が使用されることが多くなっています。
日本の大手メーカーでレール製品を出しているのは現在KATOとTOMIXで、どちらかのレール製品を使うことになります。では、この2社のレールについてもっと掘り下げていきましょう。
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KATO「ユニトラック」
KATOのレールは「ユニトラック」というシリーズです。
出典
[link url=”http://start.katomodels.com/start/guide/category/12/blogid/1″ title=”[KATO] Nゲージ鉄道模型入門” content=”KATO のユニトラックは連結・とりはずしが簡単で通電不要の心配がないユニジョイナーをはじめ、抜群の安定性を誇るプラスチック道床、世界初のマシン完全内装電動ポイントなど新機構が盛り込まれています。豊富な種類と高いシステム性は手軽で発展性のあふれるレイアウトづくりを可能としています。”]
■ユニトラックの特長とメリット
- 基本的な規格は海外のものを参考とし、基本長は248mm
- 見栄えを重視した外観。
- 複線間隔は33mmで実感的、見栄え重視。
- 道床の幅が広めで、お座敷レイアウト(床の上に直接敷く)でも安定して使用できる
- 接続部のユニジョイナーはしっかりとした造りで、かつ交換可能
- 6番ポイントという大型のポイントがある
- 通常のシリーズに加え、PC枕木の複線線路、高架線路、スラブ線路など豊富な種類
- 路面電車用の「ユニトラム」は道路と一体の線路で、同社のストラクチャーシリーズ「ジオタウン」との相性抜群
- 小型車両向けの「ユニトラックコンパクト」もラインナップ
■ユニトラックのデメリット
- フィーダー(電源供給部)の位置が固定される。基本的にフィーダーレールを組み込む必要がある。ただし「ターミナルユニジョイナー」を使えばフィーダーレールは不要。
- 長いレイアウトにしたときに、電圧降下が起こりやすく走行が不安定になりやすい。長大なレイアウトにするときはフィーダーを分岐させて複数のフィーダーを挿入することを推奨。
- (自分の経験から)Bトレに向いていない。安定した走行が難しい。
- ポイントの種類がTOMIXに比べて少ない
- ユニトラックで使用できる自動信号機が1種類しかない
- 現在のところ、単線線路でPC枕木の製品はまだ発売していない
- ユニトラムは道路と一体であり、線路単体での発売がない(自由度が低い)
■ユニトラックについて
「ユニトラック」はKATOの組線路のシリーズです。最大の特徴点はリアルな見た目で、複線間隔も実感的なものになっています。また、造りが丈夫で初心者の方がまずするであろうお座敷レイアウトにも向いています。
ポイントの種類が少ないなどのデメリットはありますが、ユニトラックだけでも自由自在なレイアウトを組むことは可能で、一部のレンタルレイアウトでは見栄えを重視してユニトラックを採用する店舗も増えつつあります。
[鉄道模型]カトー (Nゲージ) 20-852 ユニトラック エンドレス線路基本セット マスター1(M1) 価格:6,480円 |
TOMIX「ファイントラック」
TOMIXのレールシステムは「ファイントラック」と呼ばれています。
出典
[link url=”https://www.tomytec.co.jp/tomix/nyumon/finetrack/top.htm” title=”ファイントラック” content=”トミックスのレールグループは、リアルな表現を追求した道床付レールとなっています。このためテーブルの上やじゅうたん、畳の上で楽しむ「組み立て式」から、本格的に情景を作り込む「固定式の」レイアウトまで、一貫して楽しむことができます。“ファイントラック”は道床のバラストを3色で表現するなど圧倒的に緻密さを増した外観と、改良されたジョイナーでより扱いやすなったトミックスのレール製品グループです。”]
■ファイントラックの特長とメリット
- 基本長は140mm。日本型車両1両分に相当し、分かりやすい規格を実現しています。
- 見栄えはKATOほどではないが、道床や枕木の表現などはとてもキレイ
- 複線間隔は37mmで広め
- 道床の幅が狭いため、固定式レイアウトでも邪魔になりにくい(お座敷レイアウトでももちろん問題なし)
- 確実な接続で、安定した電源供給が可能。フィーダーの位置も自由に決められる
- カーブポイントなど、ポイントの種類がとにかく豊富。
- 単線線路は昔からの木枕木とコンクリートのPC枕木から選べる
- ワイドPCレールは複線化が容易で、リアルな見た目。近代的レイアウトの必需品
- 小型車両向けのミニカーブレールは、最小で半径103mmと机の上でも楽しめる
- 路面電車用のワイドトラムレールは線路単体なので固定式レイアウトにも使える
- ファイントラックになる前の茶色道床レールと互換性あり(極初期を除く)
- 使用できる自動信号機の種類が豊富で、腕木式も選択可能
■ファイントラックのデメリット
- ジョイナーが単体で交換できないため、折れたら終わり
- やや見た目には劣る。とくにスラブ線路はKATOと比較してしょぼい。
- 茶色道床時代のポイントマシンとの互換性がない
■ファイントラックについて
「ファイントラック」はTOMIXの組線路のシリーズです。KATOが見た目を重視しているのに対し、TOMIXは実用性を重視した作りです。お座敷レイアウトから固定式レイアウトまで幅広く使用でき、ポイントや信号の種類が豊富なためレンタルレイアウトでも主流となっています。
実はNゲージの道床付レールはTOMIXが先駆で、当時は茶色の道床でした。規格そのものは今のファイントラック(下写真でいうとAタイプ)と同じで、ジョイナー先端が丸くなっているごく初期のもの(下写真のCタイプ)でなければ相互に接続が可能で、当時のパワーパックも使用できます。
今のファイントラックは従来から弱かったジョイナー部分を改良したもので、2003年に登場しています。
[鉄道模型]トミックス (Nゲージ) 90947 マイプランLT III(F) 価格:5,670円 |
レールの互換性について
■両社間の互換性
KATOとTOMIXのレールは、当然ですが両社間での互換性を持っていません。その上、パワーパック(コントローラー)やポイントマシンも互換性がないほか、駅ホームもそれぞれのレール規格に準拠しているため、レール・パワーパック・ポイントマシン・駅ホームは基本的に同じメーカーで揃える必要があります。
ただし互換性が全く無いというわけではなく、KATOの「ジョイント線路」やTOMIXの「ジョイントレール」で異なるメーカーのレールをつなぐことは可能です。基本TOMIXで駅周りだけKATOにしたい、本線はKATOで車庫だけポイントの豊富なTOMIXにしたい、などといったときに使える有効打です。
[鉄道模型]カトー (Nゲージ) 20-045 ユニトラック ジョイント線路62mm(S62J) 2本入り 価格:168円 |
[鉄道模型]トミックス (Nゲージ) 1529 ジョイントレールS35-J(F)(4本セット) 価格:574円 |
■車両との互換性
Nゲージは、海外も含め大半が同じ電源供給方式(「直流二線式」といいます)をとっているので、どのメーカーのレールでも各社のNゲージ車両を走行させることが可能です。
TOMIXの車両をKATOのレールで走行させることも、KATOの車両をTOMIXレールで走行させることもできます。
なので、車両との互換性は考えなくても大丈夫ですね。
レールについて まとめ
ここまで、ユニトラックとファイントラックを中心にNゲージのレールについて見てきました。
どちらのレールも完成度が高く、走行させるには充分なシステムとなっているので、好みで選べば大丈夫です(笑)
あとはパワーパックの好み、最終的に固定式レイアウトを作るか、などを考慮に入れても良さそうです。
話が長くなりましたのでここでレールの話は終わりにして、次回はパワーパック(コントローラー)のお話をしたいと思います。
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