JR西日本のクルーズトレイン「トワイライトエクスプレス瑞風」が、ついにTOMIXから”プログレッシブ・グレード”で発売されました。フル編成で定価48,000円と目が飛び出るような価格ではありますが、その価格分を感じられるようなレベルの高い作りとなっています。
いつかは・・・クルーズトレイン
数年前、従来のブルートレインが姿を消しつつあった中で”新しいタイプの豪華寝台列車”として登場したのが「クルーズトレイン」というジャンルです。
単純に点と点を結ぶだけだった従来の寝台列車とは違い、クルーズトレインは観光目的に特化しており、単に列車に乗って楽しんでもらうだけでなく、沿線の観光スポットにも立ち寄り、地域の方々のおもてなしを受けることができるのが醍醐味です。
JR九州の「ななつ星in九州」が先駆を切り、JR東日本から「TRAIN SUITE 四季島」が、JR西日本から「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が登場しました。伊豆急など一部の私鉄でも同様のコンセプトの列車が登場しています。
誰しもが一度は乗ってみたいと思われるであろうクルーズトレインですが・・・クルーズトレインに乗るには巨額な費用が必要になってきます。一泊二日のコースで、一番安いランクでもひとり数十万円、お高い部屋だと100万円を超えます。
また、これだけ高額ながら応募者が多いために抽選倍率が高く、抽選をくぐるだけでもかなりの時間を要してしまうようです。クルーズトレインには余裕で乗れるお金があるであろう有名タレントでもこの抽選が高い壁となっているのか、なかなか乗れないようです。数年前に放映された「アメトーーク」の”鉄道芸人”でクルーズトレインが取り上げられたときも、乗ったことのあるタレントは一人もいなかったほどですから。
クルーズトレインは各社の最高級列車ということもあって、ドレスコードでフォーマルが指定されるなど厳格なところもありますが、これまでの列車では味わえなかった豪華料理や最高のおもてなしを受けられるのが魅力です。いつかは・・・・・・無理か(笑)
JR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」
JR西日本のクルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は2017年に運行を開始しました。2015年に運行終了した「トワイライトエクスプレス」の名をサブネームとして引き継ぎ、「みずみずしい風」という意味を持つ「瑞風」がメインネームとなりました。
https://twilightexpress-mizukaze.jp/
車両は87系が新規に製造されました。九州の「ななつ星」が機関車牽引方式、東日本の「四季島」がハイブリッド電車方式なのに対し、「瑞風」は気動車による動力分散方式が採用されました。この点はJR西日本らしく手堅いですね。
外装はノスタルジック・モダンを意識したデザインが特徴となっています。中でも先頭車となる展望車キイテ87は気動車で初めて前面展望デッキを設けただけでなく、ボンネットスタイルを彷彿とさせるスタイリングとなっています。
いっぽう、内装はアール・デコ様式が採用され、西日本の伝統工芸品などが取り入れられ、落ち着いた空間となっているようです。
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プログレッシブグレードで登場!
実車の営業運行開始から2年、ついにNゲージ化が叶いました。「瑞風」の模型化にあたってはJR西日本サイドと細かい調整がかけられたようで、NゲージはTOMIXとKATO、HOゲージはエンドウが製品化することに決まりました。
「四季島」ではKATOにいち早く出され、「ななつ星」もKATOからしか出ていない中で、「瑞風」はTOMIXが先陣を切ることになったのです。
TOMIXの「瑞風」は前作の「四季島」同様、プログレッシブグレードとなりました。プログレッシブグレードは従来のHigh Gradeを越えるTOMIXの最上級グレードで、第1段となった「四季島」はその完成度の高さでKATOを上回る出来だったと聞きます。
実車は乗れないけど、模型ならなんとか・・・。この評判の良さに期待して予約してしまったのです(笑)
https://www.tomytec.co.jp/tomix/mizukaze/index.html
TOMIXではフル編成の限定セットのほか、5両基本+5両増結のセットも用意されていますが、中身は同じでフル編成時の価格も同一。であれば、ここはやはり“今しか手に入らない”限定セットに行くしかないでしょうw
https://store.shopping.yahoo.co.jp/joshin/4543736979128-53-51152.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsrg_title_blbl&ea=13
https://www.tomytec.co.jp/tomix/products/n/97912.html
限定セットの税抜定価は¥48,000で、僕の一編成に充てる最高購入額を大幅更新となりました。
<これまでのNゲージ最高額購入レコード(価格は税別定価)>
ラウンドハウス E231系みどりの山手線 | ¥28,000 |
TOMIX 500 TYPE EVA | ¥35,000 |
GREENMAX 京急2100形「京急セガトレイン」 | ¥35,500 |
TOMIX 87系 TWILIGHT EXPRESS 瑞風 | ¥48,000 |
限定セットを開封!
というわけで、<97912>の限定セットをいつもどおり見ていきましょう。
限定セットはスペシャルパッケージ仕様で、シックな仕上がりです。スリーブの中にかぶせ箱があり、その中にいつものブックケースがあるという豪華さです。和菓子の菓子折りみたいです。このパッケージだけでも限定セットを買う価値が十分感じられました。
2つのケースに10両が入っています。パンフレット付きです。
展望車のキイテ87です。複雑な造形をうまく仕上げており、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
手すりの金の線は若干塗りの安定さには欠けますが、実車より太めでデフォルメ気味になっているので模型としてみたときの見栄えは良いです。
塗装についてはビシッと決まってる感じで、重厚感があります。程よい光沢感でギラツキもほとんどなく安定してます。ただ色的に指紋は付きやすいですけど。
先代と同じく「ダイナープレヤデス」の名がつけられた食堂車キシ86の壁面は印刷で再現。外から見ていても楽しいです。この食堂車には壁面照明も再現されており、華やかさを加えてくれています。
お隣のラウンジカーは“キラ86”という今までにない型式名。窓のグラスの彫刻もされています。この部分は後発のKATOも同様の再現を行うとアナウンスされています。この車両の室内灯はスポットライトまでちゃんと光るという徹底ぶりです。
ここで言い忘れてましたが、TOMIXの瑞風は独特なライトギミックを再現させるためにか、全車室内灯が標準装備となっています。その分お値段に返っては来るのですが、それでも別途室内灯を取り付ける作業がいらないのは嬉しい限りです。
ロイヤルツインも室内灯が専用になっているおかげで、専用のプリズムを組み込むことが可能となり、実車のようなリアルな光り方を再現できているみたいです。このロイヤルツインは昼間時の扉開放状態のほか、別パーツで閉めた状態にもでき、この点はTOMIXのアドバンテージになりそう。
そして、↑これが7号車の最高額の部屋“ザ・スイート”です。なんと、バスタブや枕どころか蛇口まで表現されています、しかも別パーツなんですよこれ。あの便器再現で有名?なマイクロエースもビックリレベル。おまけに、ベッドライトやテーブルランプも点灯します。
Nゲージは内装が疎かになりがちになるのが当たり前の世界。7号車の内装はいい意味でNゲージの常識をぶち壊しに来てます。TOMIXのクオリティと高い技術力がこの1両に凝縮されてる感じがします。
点灯ギミックはまだこれでは終わりません。先頭車も床元が点灯します。先頭部もヘッドライト・テールライトだけでなく、後進時は上部のスポットライトまで光ってくれています。
超低速でも快適に動くTOMIX #トワイライトエクスプレス瑞風 の走りっぷりをどうぞ。 pic.twitter.com/U7Z6DugAjJ
— 【公式】中日本旅客鉄道(株) (@Mc313_8507) September 26, 2019
動力は非常にスムースです。モーターはキヤノンの子会社・キヤノンプレシジョン製で、同社のモーターは前作「四季島」のほか、HOゲージ各製品でも採用されていて定評があります。
Nももし全車同社製モーターにできたら動力評価でTOMIXはKATOに逆転できるんではないかな?
それと、瑞風のカプラーはTN通電カプラーです。TN密連に新幹線でおなじみの通電機構をドッキングしたもので、室内灯のチラツキ軽減が目的。たしかに、室内灯のチラツキはほとんどありません。連結もノーマルTNと同じやり方ですが、通電部分が先に接触してしまうので連結時の感触はノーマルとは全く違い、コツが要ります。私のあとに買われていた香港の方も、やや苦戦してました。
とはいえ、KATOの313系5000番台の車体間ダンパ付カプラーとは違い、比較的スムーズに付きます。
優雅に走らせよう
今回は速攻でレイアウトへ持っていき、優雅に走る姿を動画にしました。なめらかに走る姿が見ていて気持ちいいです。
TOMIXの #トワイライトエクスプレス瑞風 の走行風景
@鉄道模型カフェ浪漫 pic.twitter.com/4KOoOmklZs
— 【公式】中日本旅客鉄道(株) (@Mc313_8507) September 26, 2019
ポポンデッタのような明るいレイアウトではなくて、ぜひジャズを聞きつつワインを片手に堪能できるレイアウトで楽しみたいものです。大阪のジオラマ103さんのレイアウトなんか似合いそうです。
今回手にしてみて、TOMIXのレベルの高さを改めて感じました。ここ最近のTOMIXは造形も良くて高評価になる製品も増えてきていますが、今回の瑞風はTOMIXができる最大のクオリティを発揮できているといっても過言ではありません。さすがプログレッシブグレードなだけあります。
外装もビシッと決まってますが、それよりも内装に驚かされます。とくに7号車の力の入りは異常なレベルで、KATOをも大きく凌駕していると言えます。
ここまでこだわりつつ納期を守った(=当初の予定通りのスケジュールで出た)ことも素晴らしいです。四季島での失敗が効いたのでしょうか。買う側サイドからすれば増税前ギリギリで出してくれただけでありがたかったです。延期なく予定通り出て、高い製品レベルの今回は、TOMIXに文句を言いたい点などまったくなく、TOMIX最高!!と叫ぶのみです(笑)
最初は買うか迷いましたが、プログレッシブグレードの出来を期待して買って正解でした!
さて、「瑞風」ですがKATOからも11月発売予定でアナウンスがなされています。KATOの「瑞風」も試作品画像がスペシャルサイトにアップされていますが、両社の手法の違いがいろいろわかり面白い点でもあります。
実は・・・こちらも予約しています。KATOのが発売されたら比較してみようと思います。
ぜひお楽しみに!!
https://store.shopping.yahoo.co.jp/joshin/4543736979128-53-51152.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsrg_title_blbl&ea=13
https://store.shopping.yahoo.co.jp/joshin/4949727676487-53-51152.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsrg_title_blbl&ea=13