去年5月のオーディオシステムの導入と一緒にやってきたのが、「SL-D303」というテクニクスのレコードプレーヤー。今までアナログオーディオをやっていなかった僕が、はじめてレコードというものに触れ、アナログオーディオの良さを実感した、思い入れのあるプレーヤーです。
Technics SL-D303との出会い
オーディオシステムを導入して、8ヶ月が経ちました。
そうです、まだ8ヶ月しか経っていないのですが、東京の秋葉原や名古屋大須の街のごとく、目まぐるしく変化しています。去年5月に導入したオーディオシステム1号と2号の機材は、そのほとんどがあとから来たより良い機材へと置き換えが進み、僕のもとから去っていくのでした。ひとつを除いて、ね。
その中で、5月の導入時から唯一残存しているのが、「Technics SL-D303」というレコードプレーヤーです。
「Technics SL-D303」 はダイレクトドライブを採用したレコードプレーヤーで、定価¥39,800のエントリーモデルです。 レコードサイズ自動検出、レコード有無検出機能を搭載し、フルオート再生のできるモデルです。
SL-D303が発売された1981年は翌年に登場するCDの登場前夜で、技術的にも成熟した時期で、レコードの全盛期でした。この時期は各社が競ってエントリークラスから超弩級の高級モデルまで、多彩なラインナップを揃えていました。SL-D303も、そのうちのひとつです。
アナログの愉しみを知る
ボディはシルバーカラーで、高級感には乏しいですが、古臭さを感じにくいシンプルなデザインとなっています。この時期は樹脂(エンジニアリングプラスティック)をボディに使用したレコードプレーヤーが流行となり、テクニクスを先駆に、各社が競って登場させました。
針は同じくテクニクスの270C(270Dかも?)というMM式カートリッジで、こちらもエントリーモデルらしいです。
レコードはハードオフのジャンク箱から集めています。JPOPからジャズに至るまで、一枚50~100円程度でいろいろ揃えました。なかでも、カーペンターズがお気に入りでよく聴いています。
カーペンターズはAmazon MusicとかHDD内の音源でも聴くのですが、レコードで聴くカーペンターズは、また違った雰囲気というか輝きを放っているかのようです。同じ曲でも、PCで聴くそれよりハキハキと歌っているかのようです。思った以上にクリアで低域もよく出ている印象です。
そして、デジタルオーディオとは違い、“眺める愉しみ”もレコードならではです。ホコリを起因としたパチパチノイズや、波打ち反っているレコード盤に針が追従する姿は現代オーディオではまず楽しめないじゃないですか。それが楽しめるだけでもめっちゃワクワクします。
現行機種より昔のモデルのほうがずっと良い
近年アナログオーディオが復権を遂げてきています。レコードはアナログオーディオ復権の牽引役で、昔からのマニアはもちろん、今の若い世代にも人気があり、あいみょんなど最近人気のアーティストのレコードが出るほどです。それを反映してか、レコードプレーヤーはここ数年日本メーカーから中華メーカーまで、多種多様のモデルが発売されています。
しかしながら、レコード全盛期当時のレコードプレーヤーに勝るものはないと言っても過言ではありません。
なぜかというと、今のレコードプレーヤーは価格が極端に高いか安いかしかなく、その上価格に関わらず音質や作りがあまりにも良くないためです。当然、音色など語れたものではないのです。
1万円しないION等のエントリーモデルとかはもちろん、10万円以上するデノンのハイエンドモデルですら構造上ノイズが出てしまうようなお粗末な造りとなっているようです。それに、デノンのハイエンドも含めてベルトドライブが主流で、ベルトの摩耗から考えると耐久性の面でも疑問符が付きます。
だからこそ、昔の、作りと音の良かったレコードプレーヤーに触れてほしいな、と思います。
新品よりも安く手に入るし、構造が良いので音色の良いモデルも多いですからね(ただしテクニクスは全体的に硬い音で音色はあまり良くないけどw)
ところで、ここまで我が家で活躍し続けてきたSL-D303ですが、ついにレコードプレーヤーの置き換えの話が持ち上がりました。
ですが、レコードプレーヤーは1台しか今のところありませんので、SL-D303をサブシステムに回すことでまだまだ続投できるかな、と思っています。