ラックスマン子会社のラックスキットが出していたパワーアンプ「A501」を購入しました。メッシュ状のシンプルなボディを持つA501は、A級・AB級の切替が可能でラックス自慢のディオ・ベータ回路を採用した本格的なパワーアンプ。見た目は無骨だけど音は柔和!?
ラックスのアンプ 第2弾
3月にラックスマンのパワーアンプ「5L15」を購入し使っていましたが、当時のプリアンプ・オーレックスSY-88のプリアウトが2系統あるため、パワーアンプがもう一台あったら良いな、と思い某フリマを見ていたら、出ていたのがコレでした。
ラックスマンの子会社でキット製品部門・ラックスキットの「A501」です。
着払いではありましたが、価格も悪くないお値段でしたので気になって買ってしまいました。
「A501」はラックスキットの手軽かつ本格的なトランジスタセパレートアンプ「A500」シリーズの第1弾として発売されました。時期的にはラックスマン5L15等のラボラトリーリファレンスよりちょっとあとの製品で、ほぼ同時期のラックスマンのプリメイン・L-510などにも搭載された「デュオ・ベータ回路」を搭載。A級とAB級を切り替えることが可能で、モノラルで使用することが可能です。
ラボラトリーのようなDC構成ではないものの、シンプルな構成が特徴で、ストレートな音を実現しています。
定価は¥55,000とキット製品ゆえに手頃な価格設定でラックスマン譲りの音を楽しめる一台とあり、そこそこヒットしたようです。
https://audio-heritage.jp/LUXMAN/kit/a501.html
メッシュのデザインがかっこいい。が、使い勝手は・・・
A501には前期型と後期型があり、前期型は底板と端子面を除く全面がメッシュ状になっていて、後期型はメッシュでなくなり通気孔のサイズが縮小されています。
今回、僕が買ったのは前期型です。メッシュデザインなので通気性に優れる一方で、ホコリが入りやすく、僕が手に入れた個体もホコリまみれでした。
それでも内部のホコリを取ってピカールを磨けば、だいぶ良くはなりました。内部は巨大なヒートシンクが目立ってます。基盤の配置も極めてシンプルに見えます。
出入力端子は背面ではなく側面にあります。サイドに端子があるのはオープンなところでは配線しやすいメリットがありますが、ラックに入れてしまうと逆に配線しにくくなるデメリットも抱えています。操作スイッチやA級/AB級切り替えスイッチも同じくサイドにあるため、ラックに入れてしまうと途端に使いにくくなります。
その代わり、正面から見た姿はボタンもメーターもなくA501ロゴだけ、非常にスッキリとしています。なので、ラックではなくオープンな場所(テレビ台の上など)では見栄えも使い勝手も良いでしょう。
デザインを追求するがあまり、使い勝手が犠牲となってしまう悪しき例ですね。
とにかく優しい音色に浸る
買った直後はボリュームのガリがひどくLチャンネルの出も不安定でしたが、イトケン様に改めて接点を磨いていただいて、安定して音が出るようになりました。
ものすごく柔らかい音です。5L15はとにかくモニター調の音で淡々と鳴らす傾向でしたが、A501はリスニング向けの味付け。その柔和な音作りは、クラシックやバラードなどの雄大なものを聴くには心地いいのは事実です。
ただ、どんなジャンルも強引にフワフワにしてしまうのがこのA501をはじめとするラックストーンの欠点です。とくにジャズはとにかくボケます。ホレス・シルヴァーのスピード感あるセッションも、フニャとしていて爽快感を味わえません。どれを聴いても、優しすぎちゃって、メリハリがないというか、刺激に物足りなさを感じることがわりかし多かった印象です。
音色変化はちゃんとするし、そこらのデジタルアンプよりは綺麗に出ますが、写真で言うところのボケ重視の単焦点レンズといったところで、広いジャンルをカバーできません。広く浅くを求める僕にはラックスは不向きなのかな?という結論に至りました。
それでもプリアンプを某ショップのクソ改造で音を殺されたSY-88からSY-Λ90に変えたときはかなりいい方向に改善はしました。ですが、SY-Λ90を手に入れてしまうと、もうSC-Λ90Fへの道しかもうなかったのです。
手頃な値段のラックスアンプ
ブランド力の高いラックスのアンプは今でも高値を付ける傾向がありますが、このA501はラックスマンではなくラックスキットブランドであることと、無骨なデザインが嫌われているのかそこまで人気がなく、ラックスのセパレートの中では最も安価に入手できるモデルです。
ぜひ遊んでみてはいかがでしょうか?