ウチのオーディオアンプの大半はトランジスタ式ですが、ふと真空管を使ったアンプが気になってしまい、安価で売られている真空管ハイブリッドプリアンプ「TUBE-01」を購入。真空管が2本立った美しい小さいアンプから出る音は意外にもシャープな音だった!?
ふと真空管アンプが気になってしまった
我が家のオーディオアンプは大半がトランジスタやICで動くアンプです。トランジスタアンプのほうが大幅に安価であること、「真空管では音がボケる」というイトケン氏の意見を聞いているので、高級な真空管アンプの導入には至っていません。
一方で、真空管とトランジスタ(IC)のハイブリッド方式のアンプがヘッドホンアンプや中華アンプを中心に流通するようになったのが数年前のこと。中国製やロシア製の安価な真空管を用いることで、大幅なコストダウンとサイズダウンの双方を実現。小さいサイズのためデスクトップオーディオ向けに普及しました。“真空管アンプは高級”というイメージがぶち壊されたのです。
“(アンプについては)Aurexこそ至高”だというのはもうわかりきっているので、ラックスマンあたりの中古相場が高すぎる真空管アンプを購入する気は更々ないのですが、安価な中国産真空管アンプがあまりにも安く出ているので、気になりだしてしまいました(笑)
去年3月にラックスマンの5L15、翌月にはLUXKITのA501が入ってきてパワーアンプが2台体制になりましたが、当時プリアンプはお借りしていたAurex SY-88だけだったので、もう1台プリがほしいと思っていた時期と重なりました。
某フリマアプリを調べていると、「FX-AUDIO- TUBE-01」という安価なハイブリッドプリアンプを発見したので買ってみました。
数千円で手に入るハイブリッドタイプ
「FX-AUDIO- TUBE-01」は、FX-AUDIOの第一号となる真空管ハイブリッドアンプ。中華製真空管「6J1」を2発採用し、電源モジュールはディスクリート構成、アルミボディ、DC12Vといったスペックを持っています。
そのため、汎用の12Vに対応したACアダプターがあれば動作させることができるのが大きなメリット。サイズが小型なので、デスクトップオーディオに好適な仕様となっています。もちろん対になるパワーアンプも販売されていました(こちらは真空管式ではないですが)
ちなみにFX-AUDIO-は中国メーカーではなく、日本の企業・NFJによるものであり、TUBE-01を改良した日本専売モデル「TUBE-01J」はNFJオリジナルの要素も取り込まれ、Amazonやヤフーショッピングでヒット商品となりました。
小型なのに音は余裕あり
届いたのはベースモデル「TUBE-01」のブラックカラーです。ACアダプターが付属しないぶん安かったのですが、家にちょうど余らせているACアダプターがあるのを確認してから買っています。真空管と本体を別に梱包されていて、手書きの説明書も入っていました。丁寧な出品者様ですね。
ボディはアルミ削り出し素材とだけあって、美しい出で立ちです。電源スイッチは昔からあるようなレバー式で、右のボリュームはフリーストップ式ではなくカチカチとした触覚があります。プリアンプなのでスイッチとボリュームしかないシンプルな構成です。
北京製6J1は2本むき出しで立っています。ややベースの立て付けが悪いのか、ビシッとは立ちませんが動作には問題ないようです。
通電時の真空管の光り方は芳しくはないですが、そのぶん発熱は抑えられていて、むき出しじゃなくても問題なさそうに思えます。管を付けるベースの部分に別のライトが入っていて、そちらのほうが綺麗に光ります。
背面は入力と出力がそれぞれ1系統ずつ。電源はACアダプターによる12Vで駆動するタイプなので、汎用の小型のACアダプターがあれば動いてくれます。
シャキッとした音がきもちいい!
ラックスマン5L15とコンビを組み音出しをしてみたら、純粋な真空管アンプとは違う、シャキッとした目覚めのいい音が流れてきました。
TUBE-01に限らず、真空管ハイブリッドアンプはシャープネスが強めなフラットな仕上がりになるそうです。
真空管の味は薄まりますが、シャキッとした音感のほうが好きなので、個人的にはとても好みです。こんな小型アンプなのに、ボリュームを2~3回カチカチしただけで充分な音量が得られ、余裕のある豊かさも魅力に思います。
販売元のNFJ自身も「カッチリした音を緩くしたいというような用途で購入の方はハッキリ言ってお勧めしません」と公言されていますので、真空管アンプの音を期待してはいけないでしょう。
TUBE-01は、当時の定価で5千円もしないくらいの安価な価格ながら、価格以上の音質を叩き出せる良質なアンプだと思います。
当機種はディスコンされていますが、後継モデルが売られているので、気になる方は後継モデルを買って聴いてみてください。