どうも、みずにゃんです。
今回は中国のオーディオブランド・Hidizsさんのイヤホン「MD4」をレビューします。
Hidizsというブランド
「Hidizs(ヒディス)」は、中国大陸でスタートしたオーディオブランドです。創業は2009年だそうで中国企業の中では息の長いブランドです。
創業当初よりポータブルオーディオに特化し、現在は音楽プレーヤー(DAP)、ポータブルアンプ、そしてイヤホンとラインナップの幅を拡げています。日本国内では静岡・三島の飯田ピアノ社と代理店契約を結び、Amazonはもちろん、ヨドバシやeイヤホンなどにも販路があります。
今回ご縁があり、カナル型イヤホン「MD4」とUSB-DAC「S9 Pro」をご提供いただきました。まず今回は「MD4」にスポットを当ててレビューしていきます。
このたびはレビュー製品のご提供、ありがとうございます!
Hidizsイヤホンのハイグレードモデル「MD4」
イヤホン「MD4」はAmazonで2.5万円前後で販売されている比較的新しいモデルで、同社イヤホンでは「MS4」に次ぐハイグレードモデルとなっています。
MD4は他モデルと違い、Amazonを主に販売されていて、現時点(2022年11月上旬)では他量販店での取り扱いはまだないようです。
イヤホンで2万円台というと、一般的にはそこそこ高くて高級の部類ではないでしょうか。僕、ヘッドホンはわりとSTAXとかで高いのもいろいろと使っていますが、実はイヤホンで2万円以上のは過去にはゼンハイザーIE60くらいしか無いので、今回のMD4はとてもワクワクしました。
MD4はバランスド・アーマチュアを4基搭載。低域2基、中域1基、高域1基の構成で3wayとなっています。
そしてMD4の最大の目玉が、イヤホン本体のスイッチでチューニングを変えられるところ。イヤホン本体のスイッチの切り替えで4通りの音が楽しめるという、実にユニークな機構です。さらにイヤーピースもチューニング別に3種類用意されているので、イヤーピースと本体スイッチの組み合わせで、12通りの音が楽しめるのです。贅沢です(笑)
付属品が豪華!
パッケージがとてつもなくデカイ。というのもMD4は付属品が充実しているからなのです。
まず、付属ケーブルは3.5mmプラグのアンバランスケーブル。シュア掛けを前提とした形状です。洒落たデザインをしています。
イヤーピースは音のチューニング別に3種類用意されていて、バランスタイプのMサイズが装着状態となっています。バランスタイプの他、ボーカルタイプ、低音タイプがあり好みで付け替えられます。
よく見ると、クリーニングブラシも入っていますね。このクリーニングブラシ、実は本体のスイッチを切り替えるための棒としても役立ちます。
極めつけはフェイクレザー製の大きなケース。なんと単品だと3500円ほどのケースです。大きいとはいえ、S9 Proと一緒で入れるとぎりぎりのサイズだったりします
本体は中華イヤホンのスタンダードである2ピン式のリケーブルに対応しています。スイッチはあまりにも小さくて指では厳しくて、付属のクリーニングブラシか爪楊枝は必須アイテムです(ブラシの先っちょでもまだ太い・・・)
本体のフィニッシュラインは”マーメイドシリーズ”を名乗るに相応しい高級感のあるもので、美しいです。女性が付けても違和感はないと思います。カラバリは3色で僕のはブラックですが、マーメイドシリーズとだけあってブルーが一番映えそうですね。
落ち着いたトーンと解像力の高さが魅力
正直言うとチューニングの組み合わせが多くて、今回のレビューはかなり大変でした(笑)
今回はS9 Pro無しでAQUOS R7の3.5mmジャックに直で挿してApple Musicのロスレスオーディオを再生したときの感想です。
イヤーピース別に聴き比べる
まずは本体のチューニングをバランスモードに固定し、イヤーピースを変えて聴き比べしてみました。
- バランス:調和の取れた全体像で、クセも嫌味もないスッキリとした感じ。
- ボーカル:透明感が一気に改善し、全域がよく伸びるようになった。アニソンや女性ボーカルには最も向いている。
- 低音:低域の強みは増すが、中高域も埋もれず張り合っている。解像感に物足りなさがある。
個人的には、ボーカルタイプが一番しっくり来る感じでした。
本体のチューニングごとに聴いてみる
今度は一番良好だったボーカルタイプのイヤーピースを装着した状態で、本体のチューニングを変えて聴き比べてみます。
- バランス:素直な出方。ちょっと高域の伸びの部分でザラつきがあり若干の濁った感は否めないが全体のバランスはとても良好。
- ウォーム:透明感が段違いに上がる。高域の伸びは不快感が抑えられている。低域の力強さも魅力だ。バランスモードからハリが出ている用に感じた。
- 高音域:透明感はウォームよりも更に増すが、一方で全体的な音の膨らみに欠ける。低域が足りないというか、パンチ力に弱いというか。ウォームで聴いている方が明らかに濃厚だ。
- 低音域:ドンシャリ傾向で、豊かな感じになった。ボーカルは若干遠ざかった感じ。低音域とは言うけど中高域もしっかりと出ていて、思ったよりバランスは良好だ。ただちょっと聞き疲れる感じだ。
個人的にはポップスやアニソンを聴くなら、ウォームと低音域が良さげが感じがしました。
MD4はバランスド・アーマチュアのイヤホンなので、高域が良く伸びます。そして、解像力が非常に高く、安価なイヤホンでは潰れてしまう細かい表現をも残さず拾っていることに脱帽です。
その一方で、ザラつきというか濁った印象は最後まで拭えず、透明感は少し物足りなさを感じます。この部分が、ウン万、ウン十万するモデルとの差なんでしょうか。でも、2万円台というクラスでは全く不満のないレベルなのも事実で、流石にこれ以上言うのはワガママって気もしてきます(笑)
音源次第で化けるイヤホンでもあると思います。Apple Musicはロスレスでもあまりクオリティは高くありませんが、ためしにYouTube Musicに切り替えたら、それだけで同じ曲でも盛り上がり方が違いました。音源の良し悪しが最終的にMD4の感じ方にも直結するので、ぜひともクオリティの高い音源で聴きたいものです。
まとめ:音楽を愛するすべての人へ
PRによる贔屓とか抜きで、「この音がわずか2万円ちょっとで出せて良いのか!?」というのが、僕の感想です。
音を曲や気分に応じてカスタマイズできるというのは今まで再生デバイス側でチューニングするしか無かったのを、ついにイヤホンだけで完結することができるようになった、というのはまさに画期的だと思います。新しい機能を取り入れつつ、中華イヤホン伝統のスタイルをしっかりと残している部分は、流石の一言です。
ぜひともこれは音楽を愛するすべての人に一聴してほしい、MD4はそんな一本です。
次回はこのMD4ともセットで使えるUSB-DAC「S9 Pro」を深掘りしていきます。お楽しみに!