どうも、みずにゃんです。
今回はHidizsさんの製品レビュー第2弾!超軽量コンパクトのUSB-DAC「S9 Pro」を使って感じたことを書いています。
Hidizsのスマホ対応USB-DAC「S9 Pro」
中国のポータブルオーディオブランド「Hidizs(ヒディス)」様のご提供によるレビューの後半です。前編ではイヤホン「MD4」をレビューしましたが、後編ではMD4の音質をより高めてくれるUSB-DAC「S9 Pro」を見ていきたいと思います。
「S9 Pro」はHidizsのモバイルデバイス向けUSB-DACです。驚くほど小型軽量のボディにピュアオーディオでも定評のある米国ESS社のDACチップを搭載。入力はUSB-C対応で、USB-C端子のあるAndroid・Windows系のスマホやタブレット、ホームボタンのないiPadでは本体の端子でそのまま楽しめます。
iPhoneに繋ぐ場合はOTC対応の変換アダプタが必要です(別売)
出力はオーソドックスな3.5mmステレオミニジャック(アンバランス)と2.5mmのバランス端子を搭載し、アンバランスで手軽に聴きたいときとバランス接続でより豊かな音を聴きたいときとで使い分けができます。
もちろんハイレゾにも対応していて、DSD512まで対応。
「S9 Pro」は「S9」のリファイン版として登場しています。カタログスペックで大きな差はないのですが、ベースモデルのS9とはDACチップが異なり、繊細な音を得意とする旭化成のDACチップを搭載したS9と、ESS社DACチップ搭載のS9 Proとでは音の傾向が違うそうです。
この「S9 Pro」はほぼAmazon専売品の「MD4」とは違い、Amazonの他、eイヤホンやヨドバシカメラなどの国内量販店でも販売中。一部店舗で展示機もあるので試聴してからの購入も可能です。1.5万円くらいですね。
驚異のコンパクトサイズ
S9 Proの箱を開封すると、すぐ本体が顔を見せます。S9 Proはブラックとシルバーの2色展開で、当方に届いたのはシルバーカラー。
ものすごく軽量です。こういうのが重たくなってしまう最大の要因がバッテリーなのですが、このS9 Proはバッテリー駆動ではないので持ってる感が感じられないほどに軽く、そして小さくできるのです。質感は価格からしたら充分だと思います。
本体の電源はバスパワー駆動。付属ケーブル(USB-C to USB-C)でデバイスに接続して電源供給します。このUSBケーブルですが極性があり、Hidizsロゴのあるほうをデバイスに接続しないと電源が入らないようになっています。
USB-Cのないパソコンへは、付属のアダプターを使用してUSB-A端子へ接続すれば使用できます。
iPhoneは、別売のOTGアダプターが別に必要です。
接続すると、本体のHidizsロゴが光ります。出力音声ファイルのクオリティに合わせて色が変わる仕組みですが、Apple MusicやAmazon MusicのロスレスファイルのクオリティだとCD音質やMP3と同じく緑色のランプなのであまり変化が感じられないかも??
OSはiOS・iPadOS・Android・Windows・macOSと幅広く対応。専用のドライバーやアプリは必要なく、接続するだけですぐ楽しめます。
純正のバランスケーブルを購入
S9 Proはバランス出力も楽しむことができますが、バランスケーブルを持っていなかったのでAmazonでHidizs純正のバランスケーブルを購入。わずか3千円の低価格バランスケーブルです。
MD4付属のアンバランスケーブルと比べると、やはり安価なケーブルなので先の細さなどは感じますが、プラグまわりなどの作り込みは3千円と思えないほどしっかりとできています。
AndroidよりもiPad向き?
今回は複数のデバイス、MD4を含む複数のイヤホンでApple Musicのロスレス音源やYouTube Musicのストリーミング音源を聴いてみました。
MD4+S9 Pro
まずは純正推奨の組み合わせ。MD4のチューニングは本体低音域+バランスイヤーピースとしています。
MD4付属のアンバランスケーブルでは、フラットな出方をします。平坦で盛り上がりには若干欠ける印象もありますが、落ち着いた感じになるので作業用BGMなどで長時間のリスニングをするときに向いています。
バランスケーブルに交換して聴いてみると、音の膨らみがぐっと拡がり、同じ曲でも世界観が一気に変わります。伸びや透明感も改善しています。低域のパワーも安定するようになり、ジャンルを問わず楽しめる味付けです。解像感はおおむねアンバランスとは大差ない感じですね。
やはり女性ボーカルやアニソンを聴くならバランスケーブルをおすすめしたいところです。
マクセルHP-CN40+S9 Pro
高校生の時から10年以上愛用しているイヤホン。当時はドンシャリタイプが主流だった低価格イヤホン(5千円以下)で数少ないフラットな音が楽しめる”大穴モデル”でした(自分は648円で買ったのですが・・・w)
ダイレクトで聴くよりも伸びが良くなっています。CN40のフラットな音傾向は変わりなく、すっきりとした味付けなのでフレッシュな音源を聴きたいときにピッタリです。CN40のようなショートケーブルのイヤホンは、延長ケーブルの代わりにS9 Proを通すと利便性と音質の両方に効果があるのでおすすめです。
ソニーIER-H500A+S9 Pro
ハイレゾに対応したソニーの中級グレードのイヤホン。発売当時1万円くらいだったらしいのですが、いろいろやつれているのが理由で数年前、ハードオフのジャンクでめちゃくちゃ安く買ったものです。
このイヤホンはそのままだと地味な鳴り方をするので好きになれず常用はしてこなかったのですが、S9 Proに繋げると、いくぶんか改善した感じがします。無難な出方ですが素直でストレート。クセがないので万人受けしそうな感じがします。イヤホンジャックの無いスマホでサクッと聴くというスタイルを取りたいときにS9 Proは頼もしい存在です。
S9 Proに通すとイヤホン側のリモコンは使えなくなりますので、リモコンを多用する方は要注意です。
Android機はノイズがきついかも
iPadとの接続では問題なかったのですが、Androidデバイスと接続した際にノイズがきつくてAQUOS R7やRakuten Handで聴くとホワイトノイズとビリビリノイズで集中できませんでした。Galaxy Tab S7ではビリビリは大方は収まるものの、ホワイトノイズはそれなりに残っています。
一方のiPadではノイズはほとんど気にならず聴くことができています。Windowsパソコンもノイズはほぼ気にならないレベルです。
S9 ProをAndroidで使う場合は相性の問題もあると思いますので、試聴機があるなら試されてからのご購入をおすすめします(もっと多くの店に試聴機や展示機があればいいのですが・・・)
まとめ:コンパクトに高音質を楽しみたい人に
S9 Proは価格とボディサイズからは想像できないほどのポテンシャルを持っています。イヤホンジャックの無いスマホでも手軽に有線イヤホンが楽しめる、その点だけでもS9 Proをチョイスするメリットは大きいです。
音質を突き詰めてしまえば、もっと上には上があるのは確かですし、Hidizsさんでもポータブルアンプをラインナップしています。ですが、その点サイズが大きく重くなってしまい、手軽に使えなくなります。
その点、S9 Proなら手軽さと音質のバランスが整っているので、できるだけコンパクトに纏めたい、でも音にもこだわりたい、というワガママな人も満足できるモデルではないかと思います。
ぜひ、試してみてください!
ということで、HidizsさんのイヤホンとUSB-DACを試す機会に恵まれました。今後も良質な製品が出てくることを期待しています。Hidizsのご担当者様、このたびはありがとうございました!