【鉄道模型をはじめよう!】#12 Nゲージの連結器「カプラー」とは?

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今日はこんな記事です

鉄道模型(Nゲージ)では、連結器のことを「カプラー」とよんでいます。今回は、Nゲージのカプラーについて解説していきます。標準のアーノルドカプラーからTNカプラー、KATOカプラーまで、各種の形状や特徴だけでなく、互換性についてもみていきたいと思います。

Nゲージの連結器「カプラー」

一ヶ月ぶりの「鉄道模型をはじめよう」連載

今回は、Nゲージ車両の連結に必須となる「カプラー」を解説します。


鉄道模型では、車両の連結器のことを「カプラー」と称しています。このカプラーがないと、車両を繋げることができません。2両以上で走行させるための必須アイテムです。

なお、ダミーカプラーなる、名の通り連結機能がダミーで見た目のみのものもありますが、今回は連結機能を有するもののみに絞って解説したいと思います。

主なカプラーの種類

アーノルドカプラー(各社)

連結機能が広いのが残念だ

Nゲージのスタンダードカプラーとなっているのが、「アーノルドカプラー」です。Nゲージ黎明期に、関水金属(KATO)を含む当時の3社の会合で、標準規格として決まったものです。ドイツのNゲージメーカー・アーノルトがもともと採用していたものだったのでこの名が付いています。

見た目はコの字の形状で実物に即したものではないものの、取り扱いが非常に簡単で、壊れにくいのが利点です。自動連結・自動開放にも対応しています。

その反面、見た目がリアリティでないことや、連結間隔が広いことが大きなデメリットです。

機関車やマイクロエースの一部製品を除き、基本的に台車マウントになっています。

後述する各社のカプラーが普及している現在でもデファクトスタンダードなのには間違いなく、各社の製品で標準装備となっています。

Mカプラー(TOMIX)

TOMIXの電気機関車・ディーゼル機関車にはアーノルドカプラーから派生した「Mカプラー」が標準装備となっています。

カプラー内にマグネットを仕込むことで、開放ランプ付きレール(M70)上で自動開放ができるギミックを有しています。

もちろんアーノルドカプラーと互換性があり、自動開放以外の使い方は普通のアーノルドカプラーと同じです。

古い製品は台車マウントでしたが、現行製品はすべてボディマウントとなっています。

TNカプラー(TOMIX)

密連形
蜜自連型
TNカプラー密連形を装着した733系
TNカプラーは先頭車同士の連結間隔が狭くて良い
こちらは蜜自連タイプ。

「TNカプラー」は、TOMIXが発売している見た目に即した独自のカプラーで、密連と蜜自連・自連の2タイプがあります。

どちらもボディマウント・伸縮機能に対応していて、連結間隔を狭くすることができる点がメリットです。確実にはめ込む構造のため、KATOカプラーNのように勝手に連結が外れるようなことはありません。

4桁の品番で販売されている汎用のもの以外に、車両に応じて形状やカラーを変更した専用のものがオプションパーツで出ています。

ボディマウントタイプは床板にTNカプラー取付部のある車両であれば大半の車両に使用できます。このTNカプラー取付部はTOMIXの車両だけでなく、同社の鉄コレ製品、マイクロエース、グリーンマックスの製品にも装備されているものがあり、TNカプラーを装着できます。

このTNカプラーは電車・気動車の先頭車とHG(ハイグレード)・PG(プログレッシブグレード)製品に標準装備となっていますが、標準装備でなくても別売オプションで取付可能です。PG製品[1]クルーズトレイン「四季島」と「瑞風」のカプラーは通電機能も有しています。

また、見た目がいいので加工してKATO製品に取り付ける方も多くいらっしゃいます。

また、ボディマウントだけでなく、アーノルドカプラーからの交換に適した台車マウントタイプもあります。こちらはKATO製品などでもアーノルドカプラーポケットがあれば使用できます。

KATOカプラー(KATO)

KATOカプラーN

「KATOカプラーN」は、自連型の独自カプラーです。自連型の形状はしていますが、大味なつくりです。台車マウントで、アーノルドカプラーポケット用のAタイプと、20年ほど前の製品の補修用のBタイプがあります。

自動連結機能を有している分、TNカプラーのように確実にはめ込まないため、ユルユルになって走行中に連結が外れることがあることがデメリットです。

KATOナックルカプラー・マグネマティックカプラーと互換性があります。

とはいえ、安く手に入ることなどが魅力の一つで、手軽にアーノルドカプラーから交換できる点が素晴らしいです。

TOMIXのユーロライナーに取り付けた例

KATOカプラー密連形

KATOカプラー密連形を装着したE233系
KATOカプラー密連形の連結間隔もリアルである
台車マウントのBタイプはこんな形状で、ベロタイプとも呼ばれる

密連形のKATOカプラーで、伸縮機能付きのボディマウントタイプと、台車マウント(KATOカプラーN同様AタイプとBタイプがある)の2種類があります。

どちらのタイプも、連結間隔が短くなるメリットがあり、安価なためよく使用されています。

本来の密連形連結器の部分はダミーとなっており、連結器下のコの字になっている電気連結器(もどき)で連結します。カチッと嵌るため勝手に連結が外れることはありません。

構造上、やはり見た目に難があるため、加工してTNカプラーに交換する人も少なくありません。

KATO製品の電車・気動車製品の多くの車両でボディマウントタイプが標準装備となっています。標準装備のKATOカプラーはAssyパーツとして入手可能です。

KATOカプラー密連形#2

フック無で#2と互換のある製品の例(221系)

ダミー電蓮のない密連形カプラーで、TNカプラーに近い構造となりました。KATOの一部車両に対応しています。

「KATOカプラー密連形(フック無)」と表記されているものも、これの一種です。従来のフック(ダミー電連)のあるKATOカプラー密連形とは、互換性はありません。

KATOナックルカプラー(KATO)

KATOナックルカプラーを装着したEF65
KATOカプラーNと互換がある

KATOの米国型車両で採用された自連タイプのカプラーで、日本型の機関車にも採用されるようになりました。ボディマウントで、機関車車両に付属品として入っています。

KATOカプラーNと比較して飛躍的にリアルになっており、KATOカプラーNと同様自動連結に対応し、互換性もあります。

マグネマティックカプラー(KATO)

ケーディ社が開発した自連タイプのカプラーで、日本ではKATOが輸入代理店となっています。

名前の通り磁石を使用し、専用のレール上で自動開放が可能。機能的にはTOMIXのMカプラーに似ていますが、アーノルドカプラーとは互換性がない一方で、KATOカプラーN・KATOナックルカプラーと互換性があります。

マイクロカプラー(マイクロエース)

ボディマウントタイプの電車・気動車用のカプラーで、密連タイプと蜜自連タイプがあります。

TNカプラーと取り付け方は一緒で、TNカプラー取付部に付けられます。マイクロエース車両のほか、TOMIX・グリーンマックス製車両でも取付可能。ただし、TNカプラーとの互換性はありません。

連結間隔はTNカプラーに比べ、やや広めです。また、遊びが少なくやや貧弱な構造です。

とはいえ、TNカプラーよりは値段が手頃なのが魅力です。

ドローバー(グリーンマックス)

グリーンマックス車両の先頭車同士を接続するために付属されているのがドローバーです。

使い勝手などの面からイマイチで、TNカプラーを使用するユーザーが大半です。

一般販売はされていませんが、Assy扱いとしてグリーンマックス・ザ・ストアーで購入できます。

GMナックルカプラー(グリーンマックス)

グリーンマックスの自連タイプカプラーで、一般パーツとして販売されています。

外見はKATOナックルカプラーより更にリアルで、見た目重視のカプラーです。その反面、自動連結や自動開放は非対応で、使い勝手にはやや難があります。KATOの自連タイプカプラーとは互換性があるようです。

改造してTOMIXやKATOの機関車に取り付けると、デフォルトよりリアリティがアップするので、見た目重視の人におすすめしたいナックルカプラーです。

新幹線のカプラー

以上の解説は、在来線・私鉄車両を前提としたものです。

一方の新幹線にも、もちろんカプラーは付いていますが、これは在来線等のものとは形状やギミックの異なったものが多いです(一部アーノルドカプラーのものも存在します)

新幹線には全周幌が付いており、それをできるだけ再現する必要性があるためです。


新幹線のカプラーについては詳しく書きません。なぜなら、既に詳しく解説をされているサイトがあるためです。新幹線のカプラーについては、以下のサイトの解説を参考にされてください。

http://www.speedsphere.jp/RailRoad/Shinkansen/TecModelCoupler02.aspx

http://www.speedsphere.jp/RailRoad/Shinkansen/TecModelCoupler03.aspx

密連と自連と蜜自連

主なカプラーには「密連」のものと「自連」のものがあることにもうお気づきでしょうか?

「密連」は「密着連結器」の略で、JRの電車車両に標準的に使用されている連結器です。

JRの電車の多くは密連形連結器を備える(JR東日本E231系)
増解結の多い車両は電気連結器が下に付いていることが多い。写真のJR東海313系は2段式であるが、1段式のものもある。

一方の「自連」は「自動連結器」の略です。こちらは、電車を除く車両に一般的に使用されている連結器です。気動車などは「密着自動連結器」、略して「蜜自連」が使用されています。また、私鉄でも密連形ではなく自連タイプの連結器を採用しているところもあります。

50系客車の自連型連結器
上から見るとこういう形状になっているのがわかる(叡山電鉄700系)

ボディマウントと台車マウント

この285系にはKATOカプラー密連形が付いているが、先頭側はボディマウントで、中間側は台車マウントとなっている。

Nゲージのカプラーには、「ボディマウント」「台車マウント」の2種類の取り付け方があります。

ボディマウントは、床板などにカプラーを装着固定しているもので、連結間隔の短縮化などのメリットがあります。その反面、ボディマウントカプラーは高価な傾向です。

いっぽう、台車マウントは台車にカプラー部が付いています。連結間隔は広くなりますが、取り付けが容易であることや、交換用のカプラーが安価だというメリットがあります。

まとめ:カプラーの互換性に注意しよう

今日は、カプラーについて簡単に説明しました。

やはり最も気をつけたいのは、カプラーの互換性ですね。基本的に、メーカーオリジナルのカプラーは、アーノルドカプラーや他社のカプラーとは互換性がないと思っておくといいでしょう。

同じ車種でもメーカーによってカプラーが異なり繋げることができない物も多いですので、購入される際はどんなカプラーが使われているのかにも注意してくださいね。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

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脚注

脚注
1クルーズトレイン「四季島」と「瑞風」