【体操服千夜一夜】沖縄県の小中学校がこぞって”Tシャツブランド”の体操服を導入するワケ

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みずにゃん

どうも、「体操服イラスト全国図鑑」プロジェクトのみずにゃんです。

体操服を様々な切り口から語っていくコラム「体操服千夜一夜」
前回の「体操服千夜一夜」では、”白くない体操服”について、導入の背景などを語りましたが、今回はその続きとも言える内容です。

▼前回はこちら

今回は、本土から遠く離れた“沖縄県の体操服事情”について触れていきます。

“カラー体操服”急激に導入拡大中・・・?

先日、あるプロジェクトご支援者様より、沖縄県の小学校の体操服が上下セットで送られてきました。沖縄本島の南部に位置する八重瀬町にある、「東風平(こちんだ)小学校」の体操服。

えんじ色なんだ、珍しい~!と思いながら開封してタグを見てビックリ。

職場の夏服とメーカー同じやないか~い!(笑)

職場の制服は、夏はロゴ入りのTシャツ。「glimmer(グリマー)」というブランドのものです。
ここのTシャツは、軽いタッチの素材で通気性も良いし、感覚過敏の僕でも快適に着ていられます♪

ちょうどこの八重瀬町周辺の市町村の小中学校の体操服は、この東風平小も含めてネットで販売されていて、通販サイトを見てみると、小中ともにこの「glimmer」のカラー体操服を採用するところが多いのです。

Tシャツブランド「glimmer」とは

「glimmer」はTシャツ等の衣服を法人客へ販売を行っているトムス株式会社のTシャツブランド。
同社はアクティブウェア「glimmer」と綿Tシャツブランドの「プリントスター」を展開。小ロットのオーダーメイド品を安価で提供することを得意としているので、イベントや同人界隈、ワークウェアなど、幅広い用途で見かけます。

本州にある学校の多くはカンコーやトンボ等のスクールウェアメーカーのものを基本的に採用していることがほとんどと思われますが、「glimmer」を展開するトムス㈱はスクールウェアメーカーではありません。汎用Tシャツメーカーに過ぎないのです。

では、沖縄県ではどうしてスクールウェアメーカーのものではなく、汎用メーカーのTシャツの導入に至ったのでしょうか?
既にモデル資料としても公開済みの、上記「東風平小学校」の体操服を事例に解説していきます。

“安価に”が絶対要件

東風平小学校のウェブサイトを見てみると、「体育着注文について」という項目がトップページに表示されています。アイコンをクリックすると、体操服の変更に至った経緯が記載されているPDFが出てきました。

東風平小学校では、もともと他県と同様の白色体操服が使われていたようですが、令和6年(2024年)に新モデルに切り替えたようです。
理由として、以下の3つが記載されています。

①コストをおさえた体育着を提供できる
②カラーにすることで下着が透けない
③ドライタイプなので乾きやすい

東風平小学校のPDFより抜粋

前回の「千夜一夜」でも言及した「透けない」ことももちろん理由のひとつに挙がっているのですが、それを差し置いて“コスト面”を第一の理由としているのです。

近年全国的に導入拡大中の”高性能体操服”は、従来のものに比べれば、どうしても高額になってしまいます。クオリティアップしている分、やむを得ない部分はあると思います。
たとえば、小学校体操服のリニューアルを進めている愛知県岡崎市の場合、2022年から導入されている「矢作東小学校」のカンコー製体操服(半袖)は、ある販売店では3540~4270円(税込)の価格設定です。
他校も似たりよったりか、もっと高い価格設定だと思います。

一方、「東風平小学校」の半袖体操服は1500円(税込)なんです。
安すぎません??しまむらでTシャツ1着買うくらいの値段ですよね・・・?
ちなみに、ベースモデル(無地)は1000円を切っています。

販売サイトのスクリーンショット

沖縄県は、県民の平均所得が本地と比較して少ない傾向にあります。
失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、お金をかける余裕がそこまで無いわけです。
だから、安く提供できるように、という考え。ある意味理にかなっていると言えます。

カタログモデルの採用でコストカット

東風平小学校の半袖体操服は、カタログモデル「00300-ACT」のバーガンディ色にロゴをプリントしたもの。

2026カタログより抜粋

「00300-ACT」はスクールウェア専用のモデルではなく、幅広い用途で活用されているもの。
先日、たまたま古着屋で体操服ではない色違いの「00300-ACT」を見つけて買ったのですが・・・。

2022年の「SGボートレースメモリアル」(浜名湖)の時に製作されたもののようです。一般販売品なのか、ノベルティなのか、はたまたスタッフ用だったのかは分かりませんが・・・(笑)

それはともかくとして、こういった一般のシーンでも活用されているというのが自分の目で確認できたのは収穫でした。
柄と値段(¥220也)を見て買っただけなのですが・・・(笑)

ちなみに着心地ですが、ごく普通のメッシュTシャツです。既存の体操服と比べて非常に軽いタッチで既存の体操服のような重苦しさがありません。
たしかに、体操服にも適している素材なのでは、と思います。

本島南部で広く採用

そして、今回の体操服が対面ではなくオンラインで販売されていることもユニークです。
オンライン販売にすることで人件費を抑えられてここでも低コスト化に寄与していることでしょう。

Glimmerの体操服は八重瀬町の小中学校のみならず、那覇や糸満など沖縄本島南部の周辺市町村の小中学校でも採用が拡がっていて、今後これが沖縄県ではスタンダードになっていくのかもしれません。

今後も拡がりを見せるか?

昨今の物価高騰の世の中、あらゆるものを安く提供したい、そういう流れは今後も拡がっていくことでしょう。

洋服の青山が学生服業界へ参入したのと同様に、体操服業界でも他ジャンルからの参戦が増えていくのではないかと思います。
安く、買いやすくなるのなら消費者サイドからは評価したいところ。
保護者からのニーズに応えるべく、沖縄以外でもスタンダードになっていく日があるかもしれません。

一方で、既存メーカーには厳しい向かい風。
中小のメーカーは廃業や統廃合が進んでいくかもわかりません。
大手でもASICSが事業撤退するなど、すでに業界では”異変”が始まっているようにも見えます。

最後、ビジネス的なお話になってしまいましたが、体操服業界の大きな変化は見逃すことができません。
今後どうなっていくのか、見ものです。 みず

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