STAXのエレクトレット型ヘッドホン「SR-40」を聴いてみた

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今日はこんな記事です

純コンデンサー型の製品が多いSTAXですが、70~80年代にかけて、エレクトレット型も展開していました。同社の中ではエントリークラスの位置づけのエレクトレット型。その初号機「SR-40」をジャンクで手に入れたので、使ってみました。純コンデンサー型とどれほどの差があるのか、検証です。

Z6の第3弾記事に掲載する作例がまだ完成していないので、先に別のネタを通します。

STAXのエントリーラインのエレクトレット型

コンデンサー型ヘッドホン(イヤースピーカー)を手掛けていることで名の知られるSTAXの製品は、SR-1から現行の最新モデルに至るまで、純コンデンサー型(エレクトロスタティック型とも言う)をメインに据えており、現行のラインナップはすべて純コンデンサー型が採用されています。

コンデンサー型ヘッドホンが各社から発売されていた1970年代、STAX以外の多くのメーカーはエレクトレット型が中心でした。各社がエレクトレット型にとどまったのは、技術的な面とコスト的な面が大きいのではないかと思います。
純コンデンサー型では高いバイアスの電圧が必要なので別途AC電源が必要でした。一方で、エレクトレット型は構造が簡素で別途AC電源が不要だったので、作りやすかったのだと思います。取り回ししやすいという点でもメリットがあり、Aurexのようにダイナミック型ヘッドホンと同じ標準プラグを装着したモデルもありました。

もちろん、音質では純コンデンサー型のほうが上ということもあり、STAXは純コンデンサー型をメインにしていたのでしょうけど、各社が参入していた70~80年代には、STAXもエントリーモデルの位置づけとしてエレクトレット型を数機種リリースしています。

そのSTAXのエレクトレット型の最初のモデルが「SR-40」でした。5ピンの端子や並行コードは新機軸として採用され、現行モデルに引き継がれています。そういう意味では、STAXの歴史を語る上で外せない立ち位置のイヤースピーカーになるはずです。

エレクトレット型シリーズ専用のアダプター「SRD-4」も開発され、「SR-44」としてセット売りもなされました。

セット(SR-44)で購入

ある日、このSR-40とSRD-4、つまりセット品のSR-44が近所のハードオフのジャンク品ガラスケースに入ってました。

※今日掲載の写真は、すべてNikon Z6+AF-S 24-120/4G(ストロボ540EZ使用)で撮影しています。

L側の音が小さいという理由で、5,500円のお値段で出ていたのです。購入前にこの症状については確認しておきました。雑音多いながらも、一応両側から音が出たので、アンプ側でバランスかければギリ使えるかも、と思い買っちゃいました(笑)

SR-40はSR-1からの流れを汲む丸型デザイン。エレクトレット型は全機種オンイヤータイプでSTAXの中では小型の部類に入るかと思います。当時のSTAXではオンイヤータイプを「プレッシャー型」と定義していたようです。

家に帰って改めてSRD-4との組み合わせで聞いたところ、雑音が多く、聞くに堪えないレベルでした。LRバランスについてはSR-40の持病なのか、過去ヤフオクに流れたSR-40にも、何点かこの症状の個体がありました。

ところで、STAXのエレクトレット型イヤースピーカーは、純コンデンサー型向けのアダプターやドライバーでも駆動させることも可能になっています。エレクトレット型はプロバイアスと同じく5ピン(※エレクトレット型は1本はダミーらしい)なので、SRD-7のようなノーマルバイアス向けでも、現行のプロバイアス専用ドライバーでも音が出せます。

そこで、SR-40を手持ちのアダプターやドライバーに接続してみました。環境によって雑音がひどかったり、逆に雑音が出なかったりで使いどころが難しかったのですが、比較的ゆっくり聴ける環境だったのは、AVアンプONKYO TX-NA609と接続しているSRD-7mk2と、職場の自席に常設しているONKYO FR-UN7につながっているSRD-6の2つでした。

エレクトレットとエレクトロスタティックでは明確な差があった

聴いてみた感じ、ダイナミック型では感じ取れない繊細な部分はあるものの、同社の純コンデンサー型のような滑らかさ等が不足気味で、平面チックな鳴り方に感じます。全域を通してタイトな出方で、僕には刺激の強すぎるテイストです。

先にAurexのエレクトレット型ヘッドホン「HR-V7」を入手していて修理して使っているので比較してみましたが、個人的にはHR-V7のほうがふくよかでゆったりとした広がりかたをしているように感じました。

もとの定価が安く廉価機とだけあってタマ数が多いのかアダプターとセットにしても、安いのは魅力ですが、純コンデンサー型のエントリーグレード(SRM-Xh・SRM-212+SR-202・Lambda Nova Basicの組み合わせ等)のほうが音が豊かで、これぞコンデンサー型の音!って感じがしますし、コスパも高いかなと思います。

STAXのエントリーとはいえ、希少な存在でコレクターズアイテムであることは間違いありません。
STAX製品の近代化に貢献したエポックメイキングなイヤースピーカーに拍手。

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