名鉄百貨店 クラシックカメラバーゲンにて
先日(11月の末)、中古カメラ市へ行ってきました。今回は名鉄百貨店本店の美術サロンでの開催となりました。丸栄が閉店してから、松坂屋での開催が多かったのですが、場所が決まっているわけではないようですね。
「クラシックカメラバーゲン」と名付けられた今回は、催事場ではなく美術サロンでの開催となったためか、小ぶりなイベントでした。ジャンクの出品は日曜と月曜だったため、日曜のお昼過ぎに行きました。
ジャンクはいつもミノルタとFDばかりに思えますが、今回はわりかしニコンも置いてあって楽しかったです。
その中で見つけたのが、「AF NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5S」です。
¥500、小クモリ程度でわりかし綺麗だったので拾ってきましたw
ニコン初のAFキットレンズ
「AF NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5S」 はニコン初の本格AF一眼レフ[1]実験的な機種としてはそれ以前から「F3AF」が存在した「F-501」のキットレンズとして開発されたレンズです。
当時は各社がAFカメラに移行する中で、MFカメラ時代の50mm F1.8に代わる標準域のキットレンズを企画していました。80年代に入る前後から35~70mmの標準ズームが各社登場し、それをAF化した「35-70mm F3.5-4.5」ないしは「35-70mm F4」がキットレンズとして採用されることが主流でした。
それに対しニコンは、広角端の開放絞りを他社より明るいF3.3とし、アドバンテージを広めました。ニコンはフィルムカメラ末期の「AF NIKKOR 28-80mm F3.3-5.6G」に至るまで、広角端の開放F値はF3.3を貫きました。[2]「35-80mm F4-5.6D」など例外あり
小型でお散歩レンズに
「AF NIKKOR 35-70mm F3.3-4.5S」 はピント窓のある前期タイプと、フォーカスリングにゴムリングが追加されピント窓が廃止された後期タイプがあり、僕が今回手に入れたのは前期タイプです。
プラスチッキーでツルツルとした素材がこの当時のニコンらしい作りに思えます。
2倍ズームに抑えられている分、サイズは小型です。以前持っていた「AF NIKKOR 35-80mm F4-5.6D」よりも若干小さめで、そしてとても軽いです。それでいながらピント窓があったり、金属マウントだったりとまだ当時はキットレンズでもしっかりとした作りです。
AFはボディ内モーターを利用するタイプで、D610との組み合わせでは気持ちいいくらいスッと素早くフォーカスが合います。
侮れない描写力
エントリーモデルのレンズなのに、その描写力はニコンらしくシャープネスに仕上がっています。
ボケもそれほどうるさくはなく、”とろける”ほどではないですが、この時代のズームレンズの中では合格点だと思います。現行のDX18-55とかよりは良い写りするんじゃないですか?
こうやって見ていると、モノクロ写真がよく似合うレンズだと思いますね。
全領域でマクロが使えます。最短撮影距離はなんと35mmで、近接撮影もそこそこ楽しめます。ヤフオク等用の商品撮影なんかにも良いかも。
お散歩に使える常用レンズとして
このレンズは上記でも紹介したようにニコンのキットレンズですが、他社のキットレンズとは比べ物にならないレベルの描写力だったりします。それはなぜかというと、「ニコンユーザーになる方が一番はじめに触れるレンズ」というのをよく理解していたからです。初めて触れるレンズだからこそ、良い写りじゃないといけない、だからこそこのレンズが産まれたのでしょう。
コンパクトで、ここまで高い描写力を実現しているレンズが野口さんどころかコインで買えてしまうのが面白いところです。D5000系列以下のエントリーモデルでAFが効かないのが惜しいところですが、MFレンズだと思って割り切って使うのもアリかもしれませんね。
めちゃくちゃ軽いのでお散歩レンズに最適。通勤の合間とか、ツーリングでちょっと出かけるときとか、日々の生活の中で大活躍のはず。
ぜひ手元に残しておきたい1本です。