どうも、みずにゃんです。
今回は、尖った製品の多いソニー製品の中から、ひときわ尖ったものをご紹介します。アクティブスピーカー「SA-S1」は、コンデンサー型ツイーターを搭載した”キワモノ”です。
ソニーも”コンデンサー型”を手掛けていた
今のスピーカーやヘッドホンは、ぶっちぎりでダイナミック型が主流となっていますが、コンデンサー型(エレクトロスタティック型)も少数派として存在し続けています。
コンデンサー型といえばSTAXやQUADが有名ですが、コンデンサー型最盛期だった1970年代には日本のオーディオメーカー各社が競ってコンデンサー型ヘッドホンやレコードカートリッジを開発していました。ソニーも、そのうちの一社でした。
コンデンサー型が主流から退いたその後も、ソニーには開発者や技術者が残っていたのでしょうか、コンデンサー型のスピーカーを世に出していたようです。その最高峰が、ペア300万円もしたという「SS-R10」です。SS-R10は正真正銘のフルコンデンサー型。スピーカーの技術だけでなくマイク技術をふんだんに取り込んだソニー史上最高級機です。
一方で、コンデンサー型スピーカーをミニコンポ・システムコンポの世界へ活用したのもソニーです。その結果登場したのは、エレクトロスタティック型ツイーターを搭載した、アクティブスピーカー(パワードスピーカー)でした。
ソニー社内では「エレスタット」と呼ばれたこの方式は、コンデンサー型(エレクトロスタティック型)のツイーターと、ダイナミック型のウーハーをくっつけたものです。ウーハー部はパッシブタイプになっているものと、アクティブタイプのものがありますが、ツイーターはどのモデルも電動で駆動するため、「SA-」の型番で始まる、アクティブスピーカーの体を採っていたようです。
ただ、コンデンサー型とだけあって量産が難しかった他、このツイーターの故障率も高かったためか数機種出しただけに終わり、長くは続きませんでした。部品保有期間が終わる前に修理用のパーツストックはなくなってしまったようで、今ではツイーターから音の出ないジャンク品も多数出ていて、ジャンクは他のミニコンポ用スピーカーと変わらない中古相場になっています。
エレスタットの最高峰「SA-S1」
そんなエレスタットシリーズで唯一単品販売がなされた最上位モデルが、「SA-S1」でした。
SA-S1は「コンポS」シリーズのスピーカーのひとつです。コンポSシリーズには上位グレードの「S1」と、下位グレードの「S2」があり、アンプとスピーカー周りは以下のような差異がありました。
- S1:TAE-S1(プリアンプ)+SA-S1(アクティブスピーカー)
- S2:TA-S2(プリメインアンプ)+SS-S2(スピーカー)
S1はスピーカーがアンプ内蔵だったためか、パワーアンプがないユニークな構成です。余談ですが、SS-S2は以前オーディオシステム初期の頃に所有していたスピーカーです・・・(笑)
SA-S1のエレクトロスタティック型ツイーターはソニーが独自で開発したものです。6ミクロンのダイアグラム(振動膜)が使われています。
SA-S1が特徴的だったのはエレクトロスタティック型ツイーターだけでなく、MFB(モーショナルフィードバック)方式が採用されたウーハーもユニークな作りです。
以前からエレクトロスタティック型ツイーターのスピーカーがあるとは知っていましたが、中古相場も安かったので、コンデンサー型ツイーターの音が気になって、手を出してしまいました(笑)
ツイーターを分解してみる
さてこのSA-S1はツイーターが壊れることが多く、最終的には膜が固着して音が出なくなる持病を抱えています。僕の個体は「音が出る」という触れ込みで選びはしたのですが、残念ながらツイーターからの音は微小レベルになっていました。
昔からツイーターの分解修理方法を多くの方から紹介されているので、その多数ある情報減をもとに分解してみることにしました。噂によれば分解するだけでも固着が取れて音が復活するらしいのですが・・・。
結論から言いますと、音は復活しませんでした。振動膜を張り替えるなど、抜本的な見直しが必要となってきそうです。
ツイーターユニットを本体から取り出す工程は簡単でメンテナンス性も悪くはありません。ですが、ツイーターの電極をダイアグラムから剥がす作業で難航して、外周部が破れ始めたので、分解はここまでとしました。
さぁ、どうしましょうか。僕は、このツイーターの音が聴いてみたいのです。ツイーターの復活は必要不可欠なのですが、ダイアグラムを張り替える自信があるかというと、まったくもってありません(笑)
ですが、オーディオ修理屋に頼み込む方法もありますが、それよりも安く、手っ取り早くツイーターを復活させる方法を見つけました。そのうち実行するので、実行できたらブログで報告したいと思います。