名鉄の運賃値上げに断固反対します

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みずにゃん

どうも、みずにゃんです。

非常に残念ながら、地元を走る名古屋鉄道株式会社(名鉄)から運賃改定を準備中(概ね10%の値上げ・2024年春予定)との発表が先日ありました。近鉄の運賃値上げが発表された一年前、値上げを検討中との社長コメントが報道されていましたが、この方向性が具体化した結果でしょう。

構造改革による経費の削減等に継続して取り組むものの、不足する費用の一部について、お客さまにご負担をお願いするため、運賃改定の申請に向けて準備を進めます。

2023 年度 名古屋鉄道 設備投資計画(PDFファイル)

これは沿線住民・ユーザーの身として
到底納得できるものではありません。

僕はかねてよりTwitter上で”名鉄アンチ”の立場を貫いてきました。今の名鉄の鉄道事業の運営の手法が、あまりにもひどいものだから。
そして、住環境と生活環境の制約上、否でも応でも名鉄線を使っているがゆえに感じる不満が多いから。

この記事では名鉄の運賃値上げに反対する理由を述べていきたいと思います。

不便ありきのクソダイヤ

鉄道運行の根幹をなすダイヤグラムですが、名鉄のダイヤは利用者の利便をガン無視しています。普通電車の本数が明らかに不足していたり、支線との乗り継ぎが考慮されていなかったり、直通列車が削減されたり、と(あまりこのブログ上で使いたくない表現ですが)クソと言わざるを得ないものです。

加えてコロナ禍以降、減便ありきのダイヤになってきています。たとえば、先日の改正で各務原線はワンマン運行の折り返しになりましたが、新那加から東の区間は急行が削減された結果、ほぼ終日にわたって減便となってしまいました。

コストダウンばかりでつまらない車両

昔の名鉄はパノラマカーに代表されるような花形車両がありましたが、今名鉄が運行している車両は通勤通学利用を大前提としたもので、悪く言えばビジネスライクなものしか居ません

300系以降のステンレス車両は徹底的なコストダウンがなされていますが、それゆえに凸凹の多い日本車輌のブロック工法と相まって安っぽいデザインです。9500系は幾分マシになったものの、名車パノラマスーパーの一部が床下だけ再利用して5000系というデザインガン無視の通勤型に作り変えられた(しかもこの5000系で名車5300系が置き換えられた)のは、殺意沸きそうなくらい不快なものでした。
従来の赤一色の車両の持つ(阪急マルーンのような)高級感もステンレス車両にはありません。

これが5000系。名車を駆逐した上、デザイン性皆無、ロングシート採用でサービスレベルも低下した名鉄史上”最悪”の車両。

見た目が安いだけならともかく、乗り心地も”走ルンです”ことJR東日本の通勤型レベルしか確保されておらず、特急車両一般車(2200系)も一応は転換クロスシートもありますが座り心地はJR東海313系より大幅に劣るもので、長距離移動はシンドイ。

要するに、面白みのない車両ばかりなのです。犬山駅でどんな赤い電車が来るかな、ってワクワクしていたのももうはるか昔の話になってしまったのです。
少数でもいいから近鉄のしまかぜのような、お金をかけた非定期客向けの乗りたいと思えるフラグシップの花形車両が必要だと思います。ミュースカイはフラグシップとしてはレベル低すぎです。

フラグシップの存在は会社のレベルの高さと魅力を広めるための重要なツールだ(写真は近鉄80000系ひのとり)

鉄道ファンにも優しくない

故・葛西紀明社長時代のJR東海を嫌う鉄道ファンはまだ根強いですが、パノラマカー亡き今の名鉄も鉄道ファンにはあまり優しくありません

名鉄資料館は再開の予定なし、舞木の車両基地の一般公開も毎回子連れ限定の抽選制だし、ファンイベントが明らかに不足しています。

近鉄は塩浜の車両基地の一般公開は入場制限が無いですし、JR東海も不定期でさわやかウォーキングに組み込んだかたちで車両区の公開をしたり車両部品を通販で販売するなどの展開がなされています。

2018年に名鉄のハイキングに組み込まれた犬山検車区の一般公開を最後に、名鉄は目立ったファンイベントを行っていません。エヴァンゲリオンやシン・ウルトラマン等のコラボ企画は増えていてファンイベントがゼロではないのは事実ですが、どちらかといえば非鉄道ファン向けの施策が多く、物足りなさを感じざるを得ません

そもそもが高額運賃

名鉄の運賃がすでに今の時点で高額であることは周知の事実です。

上のリンク先のデータは2019年の現行税率で今年の各社値上げ前・バリアフリー料金制度の加算前の比較表です(※サイト運営者によりデータが更新される可能性があるので要注意)

他社大手私鉄と比較して、短距離は他社と比べても遜色ないものの、10km以上の運賃の上がり方が早く、長距離になればなるほど他社との差が拡がっていきます。普通運賃が1,000円を超すのは最速です。

中距離こそ関西で最高値の南海電鉄と大きな差はないものの、南海も長距離は抑えられていることから、長距離では他社と大幅な差があることがわかります。名鉄の運賃は福岡の西鉄(西日本鉄道)よりも高額です。

<各社普通運賃の比較(2023年4月1日現在)>

  • カッコ内は名鉄運賃との差額。名鉄より100円以上安い運賃を青字、名鉄より高い運賃を赤字で表記
  • ★はバリアフリー料金加算額を含む
  • 首都圏私鉄は紙きっぷ運賃

<表は横にスクロールできます>

10km20km30km50km100km
名鉄300円410円570円880円1,500円
近鉄
2023年4月改定
300円
(±0)
490円
(+80)
590円
(+20)
910円
(+30)
1,670円
(+170)
JR東海(幹線)★
2023年4月
名古屋エリア改定
210円
(-90)
340円
(-70)
510円
(-60)
860円
(-20)
1,690円
(+190)
名古屋市交通局
(市営地下鉄)
270円
(-30)
340円
(-70)
京王電鉄
下行は2023年10月
改定の予定額
180円
(-120)

210円
(-90)
290円
(-130)

320円
(-90)
330円
(-240)
360円
(-210)
390円
(-490)
430円
(-450)
京成電鉄
(本線・千葉線)
190円
(-110)
330円
(-90)
440円
(-130)
680円
(-200)
阪急電鉄 ★
2023年4月改定
240円
(-60)
290円
(-130)
330円
(-90)
410円
(-470)
南海電鉄
下行は2023年10月
改定予定額
260円
(-40)
290円
(-10)
450円
(+40)
490円
(+80)
570円
(±0)
610円
(+40)
810円
(-70)
850円
(-30)
1,190円
(-310)
1,230円
(-270)
東葉高速鉄道520円
(+220)
640円
(+230)
JR北海道
(地方交通線)
340円
(+40)
440円
(+30)
750円
(+180)
1,290円
(+410)
2,320円
(+820)
すべて税込表記。名鉄以外は運賃改定・バリアフリー料金制度の加算後の運賃。
名鉄は名古屋本線の基本運賃。加算運賃・割引運賃は加味していない。
東葉高速鉄道は区間制なので10.1kmの飯山満~東葉勝田台と全線の運賃を掲載。

このリンク先は2022年11月のデータです。こちらも今春の各社運賃値上げ・バリアフリー料金加算は反映されていないので注意が必要です(※サイト運営者によりデータが更新される可能性があるので要注意)

このデータによれば全鉄道事業者の得点順比較ランキングで名鉄は50位です。この順位は”高額鉄道”とよく揶揄される東葉高速鉄道や北総鉄道よりははるかに上位であるものの、大手私鉄ではぶっちぎりのワースト。さらに、当データ製作者はこう綴っておられます。

名鉄(前述のとおり名古屋本線の運賃で計算)は100キロ同士の直接対決ではJR各社(東京・大阪の電車特定区間を除く)のいずれにも勝っているが、得点順位では50位と、JR本州幹線(29位)、JR本州地方交通線(32位)、JR四国(45位)、JR九州(49位)の後塵を拝している。対キロ区間制の名鉄は、低中キロ帯で対キロ制のJR各社(JR九州は対キロ区間制だがほとんど比例的)よりも運賃が高い。このキロ帯の対戦が半数近くあり、ここでJR各社に比べて得点できていないのだ。

引用元:デスクトップ鉄のデータルーム 鉄道事業者の運賃比較

つまり、JR各社の後塵をも拝しているともいえる惨状です。大手私鉄各社はJRと比較して運賃の安さが取り柄なんですが、名鉄だけはJRにボロ負けです。

ちなみに先ほど名前を出した西鉄ですが、同社は精神障害者も対象の割引制度があります。大手鉄道事業者で精神障害者の割引運賃(※発行元を問わないものに限る)があるのは、今春導入で長距離のみの適用の近鉄を除けば、西鉄、福岡市交通局名古屋市交通局のみです(中小は舞浜リゾートラインなどで導入済)

これに関しては大半の私鉄やJR各社ですらも非導入なので一概に名鉄を責めることはできないものの、そもそもが名鉄より安い西鉄が手帳提示で半額なのに、名鉄は通常のボッタクリ運賃を払わないといけない、というのは納得いきません。

精神障害者の運賃制度の問題はまた改めて別の機会に話したいと思います。

東海道線にすべてがボロ負け

JR東海道線と並行する名古屋本線はボロ負け状態。運賃、速度、運行頻度、快適性すべてにおいてJRに完敗なのです。

JR東海道線の新快速

名古屋~豊橋は普通運賃こそJRより廉価ですが、企画乗車券の往復きっぷは両社ともほぼ額は同じでJRの往復きっぷは別料金の新幹線のオプションもあるためトータルでJRが勝っています。

セントレアに行く、とか確実に座れる特急の特別車を使う以外で、名鉄を使う理由もメリットも全くありません。

名鉄は路線ネットワークが広範で沿線が名鉄だけの地域も多く、別路線がないから”仕方なく”使っている人が今の名鉄を支えているのです。

沿線ユーザーの生活を守るために値上げはしてならない

ただでさえ昨今の物価高騰が人々の生活を直撃している中で、日々の暮らしを支える公共交通機関の利用料金が鉄道事業者の一存で値上げになってしまうことは、どんな理由であれ許されないものだと考えます。

自動車大国を拠点とする名鉄の収益の貧弱さや不況下での従業員の安定雇用の難しさは僕としても理解できますし、普通に勤務されている名鉄グループ従業員も同様に苦しい生活を強いられているという点は同情できます。

とはいえ、すべての市民が利用できる公共インフラで各家庭の家計を苦しめるべきでは無いと僕は考えます。政府や自治体からの支援を強化してでも、今の運賃制度を維持すべきです。仮に百歩譲って値上げするにしても、バブル崩壊後で最悪の不況に陥っている今は間違いなく値上げのタイミングではないです。

その観点で考えると、大本から高額すぎる運賃制度を抱える名鉄がこれ以上の値上げをすることは、決して許せるものではありません。サービスレベルが明らかにダウンしまくっているのに運賃だけは立派に上げる行為はただの「ボッタクリ」行為です。

ただし幸いなことに、この値上げの話は、現時点ではあくまで検討中のことで確定したわけではないです。

逆に言えば、今が名鉄の運賃値上げを食い止めるためのラストチャンスなのです。
利用者の声が上がれば、そして行政を動かすことができれば、食い止められる可能性はごく僅かですがまだ残っています。

運賃値上げに反対のユーザーさん、ぜひとも関係各所に思いを訴えてほしいです。

この記事が名鉄の値上げを食い止める力になりますように。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

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