最近はオールドデジカメの人気が沸騰中。そのオールドデジカメの中でも、まだまだ第一線で活躍できる一台として、オリンパスE-3を導入しました。かつてのフォーサーズシステムのフラッグシップ機はどこまで楽しいのでしょうか!?
“オールドデジカメ”密かなブーム?
昨今、“オールドデジカメ”が密かなブームになっているようです。デジタルカメラが世の中に登場してから早くも25年ほど。2000年代後半を代表する銘機でさえも発売から10年以上が経ちました。ニコンD700ですらもう発売から14年経っています。
メーカー修理ができなくなったぶん、中古相場が軒並み安くなってきてリーズナブルに手に入るようになったことから人気を集めているようです。
つい先日、カメラ書籍を多数出版している玄光社さんから「オールドデジカメ・ファン」という雑誌が出ました。オールドデジカメが好きな僕も気になって買って読んでみました。出たばかりとだけあって誤植も多く未完成部分も多かったですが、内容は楽しかったです。
先日手に入れた初代RX100やオリンパスE-500が掲載されています。この他、D700、EOS 5Dなど昔の愛機なども掲載されていて、懐かしさも感じます。
今回紹介する「オリンパスE-3」もまた、この「オールドデジカメ・ファン」に掲載された、古き良きデジタルカメラです。
オリンパスE-3の導入計画は、E-500を買った時から始まりました。イトケンさんからお声がかかりました。E-3とズイコーデジタル12-60mmのセットがあるんだけど、と。
僕としてもフォーサーズシステムを拡張したかったので、絶好の機会だと思い、即決。E-3の有償譲渡が内定していました。
その後、PC環境の機材整理の一環でSurface Pro3をドナドナすることに。その際にイトケンさんからSurfaceの引取希望のお声がかかり、最終的にE-3とのトレード(物々交換)に。ということでSurfaceくんと引き換えにやってきたのが、綺麗な状態のE-3とズイコーデジタル12-60mmだったのです。CAMEDIA C-8080のおまけ付きです。
一世を風靡したフラッグシップモデル・E-3
オリンパスE-3は、2007年に発売されたフォーサーズシステムのフラッグシップモデルのひとつです。前モデルE-1と比べてスタイルがオーソドックスなものとなり、同時発売のSWD(超音波モーター)レンズとの組み合わせで”世界最速”のオートフォーカスを実現できたのだとか。
さらに、フォーサーズシステムの弱点であったファインダーの見づらさが大きく改善したのもE-3から。センサーはパナソニック製LiveMOSを搭載しています。
とはいえもう15年の前のモデルなので、充分”オールドデジカメ”を名乗れる古さにはなってきます。
余談ですが、僕が初めて手にしたデジタル一眼レフ「E-410」は、このE-3と同期のカメラです。
大柄ボディが心をくすぐる
それにしても、傷一つ無い、非常にきれいなE-3がやってきました。液晶保護フィルムが貼られ、丁寧に扱われていたようです。
まずは”隠しモード”に入って総シャッター数を見てみました。僕が受け取ったときの総シャッター数は、なんと200回もありませんでした。E-500のときも4桁で驚いたのですが、今回のE-3は非常に少なくてびっくり。ほとんど新同品と言ってもいいと思うレベルです。
防湿庫かどこかで保管されていて、ほとんど使われていなかったのでしょう。
フォーサーズのセンサーの小ささに比べれば、かなり大柄のボディ。フルサイズ一眼レフ(EOS 5DやD700等)と同じくらいでかなり重いんです。ですけど、この重厚感が心をくすぐります。
フラッグシップモデルとだけあって、ボタンやレバーが散りばめられています。グリップも大きく、ホールディングは上々。操作性も良好です。シャッターフィーリングは軽快。
モニターは古いモデルなので解像度は低いですが、ピントの確認などは充分行えます。ライブビュー撮影を快適に行えるよう、当時としてはまだ珍しかったバリアングル液晶が採用されています。
SWDレンズのフォーカシングスピードは、さすがにハイブリッドAFのミラーレスほどの速さはありませんが、一眼レフとしては充分な速さです。とはいえ、”世界最速”というレベルでもないような(笑)
あと精度はやや低め。どうしても中央のポイントに行きやすく、周辺のポイントでなかなか合焦してくれません。AFポイントが11点と少ないので、その都度AFターゲット選択で追い込むのが良さそうです。
温かみのある描写
フォーサーズセンサーのカメラに共通して言えるのですが、やや暗めのトーン。明るく軽快な描写のニコンZとは異なる味付けです。大人びた、しっとりとした描写が上質でたまりません。
露出補正無しだとCCD機ほどではないですが、かなり色が濃く出て温かみのある色合い。若干プラス補正をかけてあげるとすっきりとした色味に仕上がります。
ハイグレードの12-60mm SWDレンズとの相性は抜群で、フォーサーズ、それもオリンパスでないと出てこない画。
これまでいろいろなオールドデジカメを触ってきましたが、ここまで楽しいカメラはあったでしょうか?
使い勝手も、画質も、まだまだ現役でこなせちゃう一台。
来月に出かける用事ができたので、ぜひ持っていきたいと思っています。