どうも、みずにゃんです。
今日は、先日の記事で紹介したミラーレスカメラ「LUMIX G9 PRO」を、もっと深掘りしていこうと思います。
男心くすぐる硬派デザイン
昔はあんなにも女性向けで丸っこかったLUMIXも、気づいたらシャープな姿になっていて驚きです。あらゆる部分が尖っていて、男心をくすぐります。ニコンも見習って欲しいです。
グリップは大きく、男性でも握りやすい設計。シボの素材もサラッとした感じでべとつきを感じることはありません。
モードダイヤルに赤いラインが入るのが、LUMIXハイエンドの証。この赤色は撮影者の情熱を表現したもの。過度に主張が強いわけでもなく、このカメラの持つ”特別感”を感じます。
操作性は一眼レフ譲り。電源スイッチはニコンやペンタックス同様にシャッターボタンと同軸。上面には表示パネルが配置されていて、見てくれだけで言えば一眼レフそのもの。表示パネルはバックライトもしっかり装備。パネルサイズも余裕があり情報量が多いにもかかわらず非常に見やすくなっています。
EVF(電子ビューファインダー)はドット数は充分で色再現も上々。Z6に比べればちょっと窮屈感はありますが、慣れの範疇のように感じます。一部レビューで指摘されている壺型の歪曲が確かにあるものの、実用上は気になるレベルではないと感じます。
モニターはLUMIX伝統のバリアングル液晶。ドット数が104万とこのクラスにしては不足感はあります。せっかくのハイエンドだしGH5(184万ドット)と同じドット数で揃えてほしかった感。ただG9 PROの液晶も実用上は気になる点はなく、全然常用できるクオリティです。
ダイヤルやレバーのトルク感は絶妙で、軽快に回せます。ニコンはとくに後ダイヤルが重めで操作で疲れる部分もありましたが、G9 PROは適切な感度で動きます。これが絶妙なんです。
G9 PROは一眼レフを使い続けたユーザーがメインターゲットということで、他モデルと比べても徹底的に操作系が練られています。電源スイッチはシャッターボタンと同軸で、ニコンやペンタックスと同じ配置です。ニコンやペンタックスに慣れていればLUMIXの操作系もすぐ慣れることでしょう。
LUMIXの操作系で特筆なのが、ファンクションキーの設定が豊富であること。専用のファンクションボタンはもちろん、ファンクションレバーや十字キーなどにも機能を付与可能。十字キーに「再生」のファンクションを設定しておけば、右手だけで操作が完結します。
操作面で一点気になるのが、シャッターボタンのストロークがかなり軽く、誤ショットを生みやすい部分。ただこのストロークは手ブレを極力減らすために設計陣がチューニングしたもので、”敢えて”、なんだそう。
AFはコントラスト方式のみなのですが、Panasonic独自の空間認識技術でコントラスト方式とは思えないほど高速です。AF-Sモードであれば正確性も高く、ニコンZ6よりも遥かに安定しています。
いっぽうでAF-F/AF-Cで連射を噛ますと精度が若干落ちるのが難点です。動体はニコンでも工夫が必要でしたので、G9 PROでも工夫していくことが前提でしょう。G9 PROのAFは人物認識オフでも人物を認識させることに最適化されているようで、例えば競馬場のパドックで厩務員が馬を引いている際、馬ではなく人(厩務員)にピントが行きがちな感じでした。
望遠ズーム M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm F2.8 PRO
僕がマイクロフォーサーズに買えたいと思ったきっかけとなったのが、オリンパスの望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm F2.8 PRO」です。
このレンズは35mm換算で80-300mmをカバー。全域でF2.8の開放絞りで、フルサイズでいうところの「70-200mm f2.8」と「300mm f2.8(サンニッパ)」2本分のスペックを1本のズームレンズにまとめたかたちです。
このスペックですからさぞかしお高いんでしょう・・・と思いきや、このレンズ、バーゲンプライス感が半端ないですよね。しかも中古のタマ数も豊富ですし。
しかもマイクロフォーサーズですから、非常にコンパクト。ニコンのサンニッパの半分の長さ・重量3分の1以下で、重量は3分の1以下という軽量ぶり。長時間でも手持ちで300mm相当の画角を楽しめるのです。
今回、クリスマスセールクーポンを使ってかなり安く手に入れました。M.ZUIKO DIGITAL 40-150mm F2.8 PROは1.4倍テレコン「MC-14」とのセットもあり、このテレコン付きのセットにしました。
マイクロフォーサーズだからと侮ってはいけない画力
以下に掲載の作例は、特記のない限りリサイズとファイルサイズ圧縮のみを行ったJPG撮って出しのものです。
LUMIX G9 PROの画力は、マイクロフォーサーズだからと侮ってはいけないレベル。色味やシャープネスが安定していて、アラ探しをしない限りはフルサイズとも互角です。
一般的にフォーサーズサイズのセンサーはダイナミックレンジに弱いとされていて、かつてのE-410は白飛びがひどかったのですが、G9 PROは白飛びが少なく安定しています。Z6よりも安定している感じすらします。
高感度耐性についても気になるところですが、ISO3200はノイズの抑えがうまく、常用できる仕上がり。6400だと多少のシャープネスは落ちますが、ブログで使用したりL判で印刷する分には申し分ないクオリティです。
フルサイズのZ6でもISO6400だとそれなりに滑っていたことを考えれば、かなり健闘していますし、最大ISOが6400の僕の用途だったら全然問題ないです。
LUMIXはコンデジ時代からポートレートを得意としていますが、G9 PROはとにかく人の表情をきっちりと映し出すことが可能で、ニコンカメラでもなかなか出せなかった凹凸の多い人の顔をシャープに描写してくれます。JPG撮って出しでも充分な色です。
センサーサイズゆえにボケ味の物足りなさはどうしてもあるものの、その代わりマクロレンズでなくても近接撮影ができるレンズも多いです。
手持ちレンズの最短撮影距離は、19mm F2.8 DNは0.2m(20cm)、30mm F2.8 DNは0.3m(30cm)、M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PROでも0.7m(70cm)です。
寄ってみたり、望遠域で狙ってみるとボケのある味わい深いショットになり、被写界深度のおかげで物撮りしやすい点でもマイクロフォーサーズの強みは大きいのです。
パナソニックがライカと協業関係にあるからかわかりませんが、モノクロームの表現が素晴らしいのもLUMIX G9 PROの魅力のひとつ。G9 PROは「L.モノクローム」と「L.モノクロームD」の2種類から選ぶことができます。L.モノクロームDの階調豊かな表現が引き締まっていて好印象。
電源周りは残念すぎる仕様
素晴らしい部分も多いG9 PROですが、もちろん残念な点もあります。最も残念と言えるのが、バッテリーや充電の電源周りでしょう。
バッテリーはZ6の純正バッテリーと比べても減りが早く、ニコンやソニーのようなパーセンテージでの残量表示も対応していません。予備バッテリーは必須アイテムになってきます。
本体充電と給電に対応している点は嬉しいのですが、充電端子がUSB3.0 マイクロBタイプという中途半端な仕様。対応ケーブルが少なく、ケーブルを無くすと面倒です。発売時期的にUSB-Cを採用することは難しくなかったと思うのですが。
さらにバツが悪いのは、ACアダプターもUSBケーブルタイプですが、こちらはUSB2.0のよくあるマイクロBタイプで、端子が統一されていないのです。せめて統一しようよ。可能なら、本体もACアダプターも最初からUSB-Cを採用してくれればよかったのに、と思います。
まとめ:フルサイズ以外で買うならベストバイ!
G9 PROはフルサイズミラーレスとも引けを取らないポテンシャルを持ち、完成度が非常に高い一台です。フルサイズ以上のラージフォーマットを候補から外しているならば、間違いなくLUMIX G9 PROか新型G9 PRO IIがベストバイです。
APS-Cでもイイじゃん、と思われそうですが、APS-Cカメラはフルサイズ向けのマウントを流用したメーカーが多く、モデルの位置づけ(ハイエンドモデルが少ない)やサイジングが理由で中途半端感が否めません。富士フイルムのXマウントは純正レンズが高すぎる…。APS-C買うくらいならフルサイズを買うべきです。
コンパクトにバランスよく仕上げたいなら、マイクロフォーサーズのLUMIXが一番です。G9 PROなら妥協する点は電源周りくらいしかありません。
パナライカを使うもよし、OMのPROシリーズを使うもよし、パンケーキレンズを使うもよし、シグマレンズで安く遊んでもよし、と遊びがいもあります。新型G9 PRO IIが発売されて大手店舗では在庫払底してきていますが、それでもまだ新品で購入するチャンスがあり、それも8万円台という安さで”LUMIXのフラグシップ”の世界に飛び込めるのです。
今だからこそ楽しいマイクロフォーサーズの世界、覗いてみませんか? みず