【レビュー】最新スマホでも使える、ダイソーで330円の「DAC内蔵 Type-C変換コード」を聴いてみたが…

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みずにゃん

どうも、みずにゃんです。
最近のスマホの悩みが、イヤホンジャックが無いこと。手持ちの有線イヤホンを活かせる、DAC内蔵のUSB Type-C変換コードがやっとダイソーから登場です。今回はこのダイソーの330円イヤホンジャック変換コードの実力を実際に聞いて確かめてみました。

最新スマホの最大の問題点、「イヤホンジャックが無い!」

最近のスマホでもっとも悩まされるのが「イヤホン問題」です。というのも、最近のスマホやタブレットってイヤホンジャックが無いモデルが多く、従来から愛用している有線イヤホンをそのまま使えないから、です。

iPhoneは7以降のモデルでイヤホンジャックが排除され、iPadもUSB-C端子のモデルはすべてイヤホンジャックがありません。これに追従するかたちで、XperiaやGalaxyなど、主要メーカーのスマホからイヤホンジャックがどんどん無くなっています。

iPhoneは6sを最後にイヤホンジャックを採用していない。上はiPhone7(イメージ画像)

幸いにも僕のスマホはみんなイヤホンジャックがあるのですが、2台あるタブレット(iPad ProGalaxy Tab S7)はどちらもイヤホンジャックを備えていません。先日買ったダイソーのUSB-C充電のワイヤレスイヤホンもペアリングが調子悪いし、これでは困るので某イヤホン屋で中古のワイヤレスイヤホン「無線ピヤホン1」を買って使っています。

イヤホンジャックが無いスマホやタブレットは、ワイヤレスイヤホンを使うか、「変換アダプター」を使って有線イヤホンを使うか、の2択を迫られます。正直、スマートとは思えないのですがね・・・。

イヤホンジャックが無いスマホの救世主・Type-C変換アダプター

そんなイヤホンジャックの無いデバイスで有線イヤホンを使えるようにしてくれるのが、「変換アダプター」です。デバイスのUSB端子に接続して3.5mmステレオミニプラグのイヤホンを使うことができるようになるアイテムです。

最近のデバイスはiPhoneのLightningのものと、それ以外のUSB Type-Cのものがあり、お手持ちのデバイスの端子に合わせて購入すれば良いのですが、そんな単純な話ではありませんでした。

「USB Type-C イヤホンジャック変換アダプター」の落とし穴

実は、USB Type-Cタイプのイヤホンジャック変換アダプターは、デバイスから音を出す方式が「アナログ出力」「デジタル出力」の2種類あり、この2つに互換性がないのです。

もともとスマホやタブレットに入っている音楽ファイルや音楽アプリ、動画音声はデジタルファイルなので、これをイヤホンで聞くにはアナログに変換する必要があります。
「アナログ出力」はデバイス内部にDAC(デジタル音声をアナログに変換する回路)が組み込まれているため変換アダプターはジャック形状を変えるだけの単純なもので済みました
一方で「デジタル出力」はデバイス内部にはDACが入っていません。そのため、変換アダプターにDACを内蔵させる必要が出てきます

アナログ出力とデジタル出力のイメージ図
アナログ出力非対応のAQUOS R7でダイソーの110円変換コード(DAC無し)を接続すると「互換性がない」と警告が出る

HUAWEI P20のような以前のモデルはアナログ出力に対応していたものも多く、変換アダプターも選ばずに済みました。
しかし、最近のモデルの大半はデジタル出力のみの対応でDAC内蔵の変換アダプターを買う必要があります。これが意外と高いのです。

100円ショップでも、これまではアナログ出力タイプしか出ていなくて、出力形式を知らないユーザーから「ウチのスマホで使えないじゃん!」という苦情(?)がわりとあるみたいでした。

やっとダイソーでDAC内蔵タイプが買えるように!

でも、やっとダイソーで買えるお手軽なDAC内蔵のイヤホンジャック変換アダプターが登場しました。エコラ事業部(株式会社ラティーノ)の「USB Type-Cイヤホンジャック変換コード」でお値段は税込330円です。

この変換コードは5cm(50mm)の白いケーブルを持つ変換アダプターです。3.5mmの3極と4極に対応しているため、イヤホンマイクも使用可能です。USB Type-Cプラグは金メッキがされています。

プラ製で面白みはないが、端子は金メッキなのは嬉しい

もちろんDAC内蔵のデジタル出力対応タイプなので、最新スマホやタブレットでも問題なく使えます。

だめだこりゃ・・・

ということで、ためしにイヤホンジャックの無い2台のタブレット(11インチiPad Pro第2世代とGalaxy Tab S7)で聴いてみました。いつも通りApple Musicのロスレス音源を使い、イヤホンにはハイレゾ対応の「ALPEX HSE-A2000PN(有線ピヤホン2)」をチョイスしました。

この変換コードですが、ホワイトノイズ(サーッという音)がかなり大きいです。個体差かもしれませんが、Galaxy Tab S7ではホワイトノイズが目立ち、あまり音楽に集中できませんでした。
iPad Proでもホワイトノイズが目立つところはありますが、まだ抑えられています。AndroidよりもiPad向きなのかもしれません。

音ですが、きわめて平凡なもので、言ってしまえばツマラナイです。試聴で使ったイヤホン(有線ピヤホン2)はもともとは面白い出方をするイヤホンですが、このイヤホンの良さを殺しにかかってきている、そんな感じがします。せっかく良いイヤホンなのに、この変換コードに足を引っ張られているのは明らかです。

結論:スマホメーカーはイヤホンジャックを復活させよ

結果として、この330円の変換コードは個人的にはダメでした。これくらいなら1万円くらいのワイヤレスイヤホンを母艦にして、ワイヤレスイヤホンのバッテリー切れなどのときの緊急用として割り切るしか使用ユースは無さそうです。ダイソーでイヤホンの揃えるならまだしも、音の良い有線イヤホンの資産を活かすには程遠いです。

音に集中する目的で変換アダプターを購入するなら、もっと価格の高くて信頼性のあるものか、いっそのこと高いけど単体DACを買ってしまうか、になってしまうでしょう(USB-DACを探すならeイヤホンさんで探したほうが良さそうですけど・・・)

⇩Apple純正

価格もそうですけど、バッテリー充電の手間だとか、紛失のリスクだとか、複数デバイスでのペアリングの手間だったりとか、ワイヤレスイヤホンは難が多いと感じます。やっと音質面ではじわじわと改善してきていますが、肝心の使い勝手はまだまだです。

スマホ・タブレットメーカー各社にお願いしたいのは、イヤホンジャックの復権です。無駄にカメラ性能とかバッテリー容量とか上げなくていいから、イヤホンジャックを付けてほしいのです。ワイヤレスイヤホンが決してダメとはいいませんが、有線イヤホン派の人も不自由なく使える、ユニバーサルなスマホやタブレットを出してほしいな、と改めて感じさせられるレビューでした。

余談:なぜ最新スマホにイヤホンジャックが無いのか?

最新のスマホやタブレットにイヤホンジャックが無いのは、薄型化や防水性能の向上も理由にはありますが、根底には「自社が発売しているワイヤレスイヤホンを普及させたい」という販売戦略から来ているものだと考えています。

イメージ画像です

というのも、Appleもソニーもサムスンも、自社でワイヤレスイヤホンを出しています。そりゃワイヤレスのほうが単価も利益率も高くできるでしょうし、長持ちする有線イヤホンと違ってバッテリーの寿命の関係で定期的に買い替え需要を起こせますからメーカーとしてはワイヤレスイヤホンを売りたいのは当然の考えです。

逆に、ワイヤレスイヤホンを自力で出していないメーカーのスマホがイヤホンジャックを残す傾向があるのも、この考えを一層強くさせてきます。実際シャープやFCNT(旧富士通)は最新モデルでもイヤホンジャックを採用していますし、イヤホンジャックがあることがセールスポイントになっているのです。AQUOS R7、イマイチな部分も多いのですけどイヤホンジャックがあるという点では大きいメリットなんですよね。

AQUOS R7のイヤホンジャック

こういうイヤホンジャックがあるスマホが、また復活していったらいいな、と思います(おわり)

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